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NAND高騰時代を乗り切る「失敗しないSSD選び」とは? TGS2026でキオクシアなどストレージメーカー5社の戦略を追う東京ゲームショウ2026(3/4 ページ)

ここ数年、東京ゲームショウにはストレージメーカーの出展が増えている。筆者が取材した5社のブース展示を見ながら、今後ストレージ(特にSSD)を買う際のポイントを探ってみよう。

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Nextorage:あえてゲーム用に「QLC NAND SSD」を投入

 Nextorage(ネクストレージ)は、ソニーのストレージ開発チームがスピンオフする形で2019年に発足した。TGSへの単独出展は、前回の「東京ゲームショウ2025」が初めてで、今回で2年連続2回目の出展ということになる。

Nextorageブース
Nextorageブース

 「メモリースティック」の時代から約30年に渡るストレージ開発の歴史と技術的バックボーンを持っている同社は、激化するNANDフラッシュメモリの価格高騰における、極めて現実的かつ実用的な提案を行っていた。

 現在、大容量のTLCタイプのNANDフラッシュメモリを搭載するSSDは、SSD全体の中でも価格の上昇率が高い。8TBモデルを買おうものなら実売価格は26万円前後で、もはや個人ユーザーが気軽に買える価格ではなくなっている

 この課題に対し、Nextorageの担当者はこう提案した。

 OS起動用(Cドライブ)には、信頼性の高いTLC NANDのSSDをお勧めします。一方で、書き込みの頻度が限定されるゲームデータの保存用、あるいは「PlayStation 5」の拡張用ストレージとして使うならコストパフォーマンスに優れるQLC NANDのSSDが合理的です。

 担当者によると、SSDコントローラーの進化もあって、読み出し中心となる日常的なゲームのロードやPlayStation 5の拡張ストレージ用途なら、QLC NANDのSSDでも必要十分な性能を確保できるという。用途を限定すればコスト面で有力な選択肢になるとして、「ゲーム用のQLC SSD」に対する先入観を和らげたいとも語る。

Nextorage G
Nextorage G シリーズ EEA」は、ゲーミング向けモデルながらも“あえて”QLCタイプのNANDフラッシュメモリを採用している。「用途をしっかりと見極めれば、ゲーム用途でもQLC NANDのSSDでよい」というメッセージともいえる

 そんなこともあり、PlayStation 5向け内蔵SSDの最新モデル「NEM-PAD」は、QLCタイプのNANDフラッシュメモリを使う前提で開発が進められたという。

 しかし、製造時にTLCタイプの方が調達価格が手頃だったこともあり、現在流通しているロットではTLCタイプのNANDフラッシュメモリを搭載している。仕様上の要件を「PlayStation 5のベンチマークテストをクリアすること」に定めているため、今後の製造ロットでは型番を変えずに、NANDフラッシュメモリをQLCタイプに切り替える見込みだ。

NEM-PAD
市場環境の変化を考慮して、PlayStation 5向けSSDの最新モデル「NEM-PAD」はQLCタイプのNANDフラッシュメモリを使う前提で開発された

 Nextorageブースでのインタビューで深く印象に残ったのが、コンソールゲーム機やポータブルゲーム機市場を見据えたブランディングだ。担当者はこう語る。

 海外ブランドなどに比べると、一般的なゲームファンにおけるNextorageの認知度はまだ決して高くありません。しかし、(ポータブル機である)「Nintendo Switch 2」を含め、近年はゲーム機向けのタイトルでもデータ容量が大きく、本体内蔵ストレージがあっという間にいっぱいになってしまいます

 「容量が足りないが、どのストレージを選べばいいのかな?」と困ったユーザーに、「ソニー時代からの高い技術力と信頼性を持つ日本のストレージメーカー『Nextorage』があったな」と思い出し、選んでもらえる存在になりたいと考えています。

 PS5用拡張SSDで培った実績を武器に、新たなゲームハード環境のストレージ需要へもしっかりとアプローチしていく姿勢が伺えた。

microSD Express
microSD Expressメモリーカード「Gシリーズ EX」は、Nintendo Switch 2を意識したカラーリングが特徴だ

 なお、Nextorageは9月に「日常のデジタル環境をスマートにする」をコンセプトに据えたサブブランド「N/U(ニュー)」の立ち上げを発表している。

 N/Uは「Next Utility, Next Usual, Next U」という意味合いを込めているといい、市場のトレンドやユーザーニーズに合わせて開発期間を短くした上で、機動的に製品を投入していく予定だという。第1弾製品として、RAID対応エンクロージャーや2.5インチSATA SSD、USBフラッシュメモリなどを投入していくが、今後はストレージ以外の周辺機器まで扱う計画だ。

Crowxis:玄人志向からのリブランドを機に、ラインアップにSSDを追加

 自作PC市場で25年に渡り親しまれてきた名物ブランド「玄人志向」を展開してきたCFD販売は8月27日、玄人志向を「Crowxis(クロウシス)」にリブランドすることを表明した。

 同社がリブランドの正式発表の場として選んだのが、このTGS2026だった。従来の玄人志向ブランドでは、自作PC用パーツとしてグラフィックスカードやPC電源などを展開してきたが、Crowxisへのリブランドに合わせてSSDも投入することになった。

Crowxis
玄人志向改めCrowxisブース

 Crowxisは、「迷えるユーザーを導くやたがらす(Crow)」と「軸(Axis)」をかけ合わせた造語で、乱立するPCパーツ市場において、ユーザーが安心して選べる「軸」となる製品を提供するという意志を込めたという。

 従来、CFD販売では自社の名前を冠する「CFD」「CFD Selection」ブランドでオリジナルSSDを販売してきたが、このリブランドに合わせてCrowxisブランドで展開することにしたという。今後、同社のオリジナルSSDは順次Crowxisブランドに変更/集約されることになる。

 Crowxisブランドで展開されるSSD製品の大きな特徴として、Realtek(リアルテック)の「トータルソリューション」を強力に活用している点が挙げられる。半導体メーカーとしてのRealtekと“太いパイプ”を築くことで、NANDフラッシュメモリの価格高騰に負けない、コストパフォーマンスと安定した供給の両立を目指すという。

CFD
CFD販売は自社で発売するSSDに社名を冠するブランドを付与してきたが、今後は順次Crowxisブランドに変更/集約される

 CrowxisブランドのSSDの第1弾となる予定の製品が、PCI Express 4.0接続の「GRX-4700」だ。Realtekが提供するソリューションを活用して製品化されたもので、同社製のSSDコントローラー「RTS5775DL」を搭載している。容量は256GB/512GB/1TBの3種類となる。

GRX-4700
CrowxisブランドSSDの第1弾となる予定の「GRX-4700」
性能スライド
GRX-4700が搭載するSSDコントローラー「RTS5775DL」はコストパフォーマンス重視のDRAMレス仕様で、ピーク時のシーケンシャルアクセス速度は読み出しが毎秒7400MB、書き込みが毎秒7000MBとなる。GRX-4700は公称スペック通りの性能となる見込みだが、搭載するNANDフラッシュメモリによって変動が生じる場合もある

 Crowxisブランドでは、玄人志向ブランドで従来展開していたHDD/SSDケース類も販売する。新製品として、TGS2026では「木目調HDD/SSDケース」と「HDD/SSDスタンド イレース SATA USB 5Gbps Type-A」(いずれも仮称)を参考展示していた。

木目調HDD/SSDケース
木目調HDD/SSDケースは、その名の通り木目調が特徴の2.5インチHDD/SSDケースだ。玄人志向でいえば「GW2.5シリーズ」のバリエーションという扱いになる
HDD/SSDスタンド イレース SATA USB 5Gbps Type-A
HDD/SSDスタンド イレース SATA USB 5Gbps Type-Aは、玄人志向における「KURO-DACHI/CLONEシリーズ」の製品の1つとなる。

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