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“AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証(3/3 ページ)

Googleから発売されたスマートフォンの最新フラグシップ「Pixel 11 Pro」および「Pixel 11 Pro XL」。前モデルからデザインの土台を引き継ぎつつも、新型SoC「Tensor G6」 の搭載によってAI処理能力を劇的に向上させたのが最大の特徴だ。実力と進化のポイントを徹底検証する。

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Tensor G6のベンチマーク性能

 Pixel 11シリーズには、新たなSoCとしてTensor G6が搭載されている。Pixel 10のTensor G5と比べて、Webブラウジングが25%、アプリの起動が15%高速になったとしている。また、TPUの計算能力が50%向上しており、Gemini Nanoモデルと連携することで、オンデバイスAIタスクを最大3.5倍高速に処理できるとのことだ。

 一方で、気に留めておきたいのがメモリの構成だ。Pixel 10 Pro/Pro XLは256GBモデルも512GBモデルも容量は16GBだったが、Pixel 11 Pro/Pro XLでは256GBモデルのみ12GBに減っており、512GBと1TBのモデルは16GBのままだ。

 オンデバイスAIを前面に出す製品でエントリー構成のメモリを削っているのは気になるところで、16GBがほしいなら512GBモデル以上を選ぶことになる。

 発売前はベンチマーク系のアプリがインストールできず、掲載済みのPixel 11のレビューでは実際の性能には触れられなかったが、今回はベンチマークアプリをインストールできたので、いくつかの結果をPixel 10 Pro、Galaxy S26 Ultraと比較してみた。

各種ベンチマーク結果の比較
各種ベンチマーク結果の比較

 注目したいのは、Geekbench AI(NNAPI)のスコアだ。AIの処理能力を測るベンチマークだが、AIバックエンドをNNAPIにしてTPUを活用すると、Quantized(量子化)のスコアがPixel 10 Proの「3442」から「9035」へと約2.6倍に伸びる。

 Half Precisionも「959」から「5399」と5倍以上だ。公称の「TPUの計算能力が50%向上」を上回る伸びで、TPUの強化がはっきりと出た形になる。

 ただし、NNAPIはAndroid 15以降で非推奨となっており、デバイスによって実際に使われる処理系が異なる可能性がある。Galaxy S26 UltraのNNAPIのスコアが、同じデバイスのCPUやGPUのバックエンドより低く出ているのはそのためだろう。この項目に関しては、Pixel同士の比較として見てほしい。

AIバックエンドをNNAPIにしたGeekbench AIのスコア
AIバックエンドをNNAPIにしたGeekbench AIのスコア。Pixel 10 Pro(左)と比べて、Pixel 11 ProはQuantizedのスコアが大きく伸びている

 Geekbench 7の結果を見ると、シングルコアが「1423」から「2282」、GPUが「1787」から「3231」へと大きく伸びている。

 一方で3DMarkは、Wild Life Extremeが「2824」から「3310」、Steel Nomad Lightも「995」から「1097」とわずかな伸びにとどまる。GPUのベンチマークスコアの伸びが、ゲーム相当の負荷では出ていないことになる。

 また、Geekbench AI(NNAPI)以外の結果は、Galaxy S26 Ultra(Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy)に大きく水をあけられている。

3DMarkのテスト結果
3DMarkのテスト結果。上段がPixel 11 Pro。下段はPixel 10 Proだ

 この結果からは、Googleとしてはスマートフォンの処理性能自体は現状でも問題ないと考えており、AIの処理性能により注力しているという姿勢がうかがえる。スマートフォンで3Dの美麗なゲームをプレイしたいという人には物足りないかもしれないが、スマホのAI機能を活用したいという人には理想的なデバイスかもしれない。

まとめ

 Pixel 11 Pro/Pro XLは、ボディーやディスプレイ、カメラの構成といった土台をPixel 10 Pro/Pro XLから引き継いでおり、変わったところはTensor G6と望遠カメラ、そしてワイヤレス充電に絞られている。

 ベンチマークの結果もそれを裏付けており、汎用(はんよう)的な処理性能は世代なりの伸びにとどまる一方、TPUを使うAI処理だけが突出して伸びていた。マジックキャプチャーのように、その処理能力を実際の使い勝手に落とし込んだ機能も用意されており、AIの使い勝手で選ぶスマートフォンという性格が、Pixel 10 Proよりもはっきりしたと言えそうだ。

 Gemini回りの機能を日常的に使う人と、望遠を多用する人には向いているデバイスだろう。望遠カメラはセンサーサイズが1/2.51型から1/1.95型へと拡大し、超解像ズームも120倍まで伸びた。あわせてワイヤレス充電がQi2.2の25Wになったので、Pixelsnap対応の充電器を使っている人には地味に効く改善となる。

 一方で、3Dゲームの快適さを重視する人には勧めにくい。3DMarkのスコアはPixel 10 Proからほぼ横ばいで、Galaxy S26 Ultraとの差は開いたままだ。256GBモデルのメモリ容量が12GBに減っている点も、購入前に確認しておきたい。

 価格は、Pixel 11 Proが17万4800円で、Pixel 10 Proの発売時価格(17万4900円)から実質据え置きだ。望遠の強化とQi2.2対応を考えれば妥当な水準だろう。ただ、Pro XLは20万7800円で、Pixel 10 Pro XLの19万2900円から1万4900円上がっている。

 無印のPixel 11も、マジックキャプチャーやQi2.2の25W充電には対応しており、望遠カメラとディスプレイに3万8000円の差を出せるかどうかが、Proを選ぶかどうかの分かれ目になる。Pixel 10 Pro/Pro XLからの買い替えを急ぐ理由は多くないが、Pixel 9 Pro以前から乗り換えるのであれば、変化は十分に実感できるはずだ。

付属品一式
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