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ゴジラ襲来の避難検証からマンドレイクの試食まで! 「CEATEC 2026」で見つけた驚きの技術5選(4/4 ページ)

10月13日から16日まで幕張メッセで開催された「CEATEC 2026」では、かなり幅広いテクノロジーに関する展示が行われた。この記事では、筆者の独断と偏見で気になったブースを見ていこうと思う。

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産業技術総合研究所など:食べ物からまちづくりまで網羅

 内閣府の事業として設置された「インターバース社会実装推進メタコンソーシアム」と「人間拡張コンソーシアム」の共同ブースでひときわ目を引いたのが、アニメ版「ダンジョン飯」のポスターと、同作品内で登場する(引き抜く際に悲鳴を上げるという)「マンドレイクの甘露煮」を再現したという山形大学の展示だ。

インターバース社会実装推進メタコンソーシアム
インターバース社会実装推進メタコンソーシアム
ダンジョン飯のポスター
「ダンジョン飯」のポスターが貼られていた(©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会)

 「え、マンドレイクの甘露煮?」と思うかもしれないが、これは同大学の「SWELラボ(ソフト&ウェットマター工学研究室)」による「テクノガストロノミー・プロジェクト」の一環として進められている、「やわらかい技術が創る、やさしい未来の食体験」を具現化したものである。

 今回出展された「マンドレイクの甘露煮」は、こんにゃくを使ったゼリーで知られるマンナンライフと共同開発したものだ。他にも、普段は口にしないようなものを模した「食べ物」が配布されていた。

マンドレイクの甘露煮
想像上の食べ物である「マンドレイクの甘露煮」に関する解説。マンナンナイフとの共同開発で、“しっかりと”食べられる

 どの「食べ物」を試そうかと考えた結果、まずは「消しゴム」の食感を再現したものを口にしてみた。主成分はこんにゃく粉だが、確かにプラスチック消しゴムの“かみ応え”そのものだった。もちろん、プラスチック消しゴムを食べたことはないが、口の中でポロポロと小さい塊に分裂してしまう様子は、プラスチック消しゴムそのものとしか表現しようがなかった。

その前に「消しゴム」を食べた
マンドレイクの甘露煮を食べる前に、こんにゃく粉を主材料として作られた「消しゴム」を食べてみた。消しゴムそのものは食べたことがないのだが、「消しゴムっぽいな」という感じだった

 その後、「マンドレイクの甘露煮」も試食させてもらった。マンドレイク自体が空想上の生き物(植物)なので、「そうそう、これこれ!」という感覚はないものの、歯ごたえがあり、かめばかむほど、独特な味が出てくる不思議な食べ物であった。

こちらはマンドレイクの甘露煮
もちろん、マンドレイクの甘露煮も試食した

 これらの空想上の「食べ物」や、実際には食べられないものの食感を再現するために、山形大学では口腔内を模してセンサーを搭載した食感を数値解析するデバイス「Gel Biter(ゲルバイター)」と、3Dフードプリンタを組み合わせている。

 GelBiterに消しゴムやスーパーボールなどをかませて“かみ心地”を数値化し、それに近くなるように「食べ物」を製造している、というわけだ。

 将来的には個人の好みに合わせた食感の再現や介護食への応用、さらには宇宙での食体験の拡張など「次の『おいしい』」を目指しているという。

GelBiter
食感を数値化する装置「Gel Biter」は、人間の口腔(こうくう)を模している
3Dフードプリンタ
3Dフードプリンタ。写真を撮ったタイミングでは、ちょうどマンドレイク“そのもの”を印刷していた
「次のおいしい」
「次の『おいしい』」を目指すという

 同ブース内では、他にも複数の企業/団体による展示が行われていた。竹中工務店、NTTアーバンソリューションズ総合研究所、東京大学が共同開発する「まちの体験価値を向上させる仕掛け・体験デザイン構築と実装に関する研究開発」の成果も展示されていた。

 これまでの街づくりでは、人流や交通量といった定量的なデータの計測が主流だったが、同ツールはこれまで数値化が困難だった「街の印象」を「EmotionalScape」という技術で可視化/推定する。例えば渋谷エリアの印象スコアを地図上に可視化し、客観的なデータに基づいてエリアの目指すべきビジョンや課題を言語化できる。

まちのデザイン
「まちの体験価値を向上させる仕掛け・体験デザイン構築と実装に関する研究開発」では、街を「交通量」などの従来的なデータではなく、「なりたい印象」を踏まえてデザインするという試みをしている
EmotionalScape
EmotionalScapeで現在の街の印象を可視化する
ありたいビジョン
流れ込んでいる人の層が「なぜ現時点でこのようになっているのか?」を可視化できたら、次は目指すビジョンに落とし込んでいく

 体験デモでは、個人の感情や好き嫌いを排し、「街の雰囲気」を数値として共有/シミュレーションできる点が示された。主観に基づくものではなく、データに基づくアドバイスなので、行政、デベロッパー、地域住民の合意形成をスムーズにし、既存の街並みを生かした再開発や景観デザインに大きく貢献しそうな技術であった。


 生成AIを含む、AI関連のニュースの絶えない昨今であるが、ユーザーの第二の脳のような役割を果たしたり、仕事を効率化させたり、正確なシミュレーションを瞬時に導き出したりすることが可能になってきている、ということを実感した。

 それらを使うためのハードウェア開発、利用方法の開発や検証などが組織の立ち位置によって異なっており、多分野にわたっている様子を目にすることもできた。

 筆者が子どもの頃に思い描いていた“近未来”がもうすぐ実現するのかもしれない――そんな期待感の持てる展示会であった。

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