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ゴジラ襲来の避難検証からマンドレイクの試食まで! 「CEATEC 2026」で見つけた驚きの技術5選(3/4 ページ)

10月13日から16日まで幕張メッセで開催された「CEATEC 2026」では、かなり幅広いテクノロジーに関する展示が行われた。この記事では、筆者の独断と偏見で気になったブースを見ていこうと思う。

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北海道大学大学院理学研究院:災害現場に熟練医師の知見を投入

 富士通ブースの取材後、「災害」つながりで訪れたのが、スタートアップや大学、研究機関などが集まる価値創造エリア「ネクストジェネレーションパーク」にあった、北海道大学大学院理学研究院のブースだ。

 このブースでは、同研究院で開発中の「被災地支援メタバースプラットフォーム」を展示していた。

 被災地や災害現場には、必ずしも熟練の医師がいるとは限らない。それでも、高度な医療技術を必要とする場面が多い。このプラットフォームは、そのような時に役立つべく開発を進めているのだという。

がれきに人が埋まる
メタバース空間において、建物の中で人ががれきに埋まっている状態を再現したところ

 例えば、建物の中にいる人が大地震に被災した場合、倒壊/破損した建物に閉じ込められてしまうことがある。がれきの崩れ方によっては、それをどかした際に「クラッシュ症候群」が生じ、生命が危険にさらされてしまうことがある。

 それを防ぐために有効なのが、圧迫を解除する前に行うカリウムフリーの生理食塩水や炭酸水素ナトリウムなどの「輸液」だが、その投下速度や内容物の判断には、経験豊富な医師からのアドバイスが必要になる。

 被災地支援メタバースプラットフォームでは、現場の救急隊員などがLiDARなどを使って撮影して遠隔地の熟練した医師に送り、圧迫されている位置などを確認した上で、適切な医療指示を受けられるという。

 さらに、圧迫からの経過時間やがれきの位置によっては、四肢切断といった高度な医療判断も必要になるが、そのような場合でも本プラットフォームは役に立つとのことだ。

映像を送る
先ほどのメタバース映像は、このように実際にがれきによって身動きが取れない人の様子を撮影し、伝送したものである
脚の切断
脚の切断という高度な医療判断を行う際にも、遠隔からサポートを受けられる

 このプラットフォームのメリットは、専門的で高価かつ巨大な撮影機材や映像出力装置が不要である点だ。撮影には「iPhone 12 Pro」以降のiPhoneのProモデル、映像出力には市販のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)やWebブラウザ利用できる端末を利用すればいい。ある意味で「ありもの」で対処できるので、導入しやすい。

送信機
送信機にiPhone Proシリーズを使っていた

 「現場と支援側をつなぐようなシステムを実装化することを目指して開発中だ」とのことであった。

TDK:真のARを実現する網膜内投影技術

 TDKブースでは、発表されたばかりの「メタオプティクスミラー技術」の体験展示が行われていた。

TDKのブース
TDKのブース

 従来のARグラスやスマートグラスでは、映像を目に届けるためにミラーにカーブを付ける必要があったが、本技術では微細な台形形状のパターンを「台形形状層」に配置することで、光線の入射角を正確にコントロールし、網膜に直接届けることができるようになった。

 また、本技術は可視光の透過率が80%と極めて高く、近視用の処方レンズに埋め込むこともできる。さらに、相手側から光干渉によって生じる「虹模様」が見えないため、通常のメガネと同様の見た目を保てることも特徴である。

台形形状のパターン
台形形状のパターンを配置する
網膜に直接投影
光の入射角を適切に制御して、網膜に直接画像を投影できる
レンズに埋め込める
その結果、レンズへの埋め込みが可能になった
ほぼ分からない
言われないと、ほぼ分からないほど薄くて透明だ

 本技術では、画像は網膜に“直接”投影される。眼球側でピントを合わせる必要がないため、「グラスに映し出された像」と「グラスの向こう側の像」を交互に見る際に、焦点を合わせ直す必要がない。

 例えば「グラス内で表示しているナビ(地図)」と、「現実世界の建物や道路」を同じ空間に存在させることが可能で、どちらも同時にクリアに見られる――そんな世界観を実現できる。

 実際に試したところ、グラス内のフルカラー映像は予想外に鮮明だった。そして、その状態でスタッフの顔に注意を向ける場合でも、焦点がどちらにも合っているという不思議な感覚を味わうことができた。

 検証機では片目のみに実装されていたので「両目にすると、やはり(価格は)高くなるのですか?」と質問したところ、「他の光学系に比べて構造がシンプルなので、製品化の際に両目用に採用されたとしても、むしろ比較的安価にできるだろう」とのことだった。

 これまで、グラス型デバイスを利用する際にインサートレンズを別途購入しなければならなかったような近視持ちの人であっても、その必要のないスマートグラスが間もなく実現するのではないかと、非常に期待の持てる展示であった。

これがメタオプティクスミラー
これがメタオプティクスミラーだ。実物を前にして、しかも体験したのに、ここまで透明だと、光を反射するものだとは思えない

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