|
前のページ
|
3/4|
次のページ
パフォーマンスにはモタつきを感じることも

続いて、パフォーマンスを検証していこう。FMV-BIBLO LOOX S80Cに搭載されているCPUは、Transmetaの「Crusoe TM5800 800MHz」である。一般的なノートPCと比較すると、やはりその処理速度は高速とは言い難い。ソフトの起動や切り替えなどにモタつきを感じてしまうのだ。
いつものように「PCMark2002Pro」でベンチマークテストを行ってみたが、その結果は全般的に良くない。以下にその測定結果を示しておこう。

PCMark2002Proのベンチ結果(クリックすると詳細画面を表示します)
ミニノートPCの多くに使われているCrusoeであれば、「CPU Score」が1,490という結果は仕方がないと思われる。しかし、「HDD Score」が296という結果はいただけない。FMV-BIBLO LOOX S80Cに採用されているHDDは、Ultra ATA-66の40Gバイト。容量は十分なサイズだが、そろそろUltra ATA-100のHDDを採用してもいいのでは? と思ってしまう。HDDの性能は、CPUと同様にパソコンの総合パフォーマンスを左右するものである。それだけに改善を期待したいポイントだ。
とはいえ、今のところ高速な処理速度を提供してくれるミニノートPCはほとんどないし、他のミニノートPCと比較してもパフォーマンスは五十歩百歩である。ミニノートPCは携帯性重視とし、パフォーマンスを必要とする作業はデスクトップPCなどに任せてしまうのが賢い考え方であろう。
なお、念のため「3DMark2001SE」によるベンチマークテストも行ってみた。ただし、すべての項目をテストできなかったため、3DMark Scoreは算出されていない。各テスト項目の結果から3D性能を判断していただければ、と思う。

3DMark2001SEのベンチ結果(クリックすると拡大します)
※画面解像度は800×600にて計測しています。
この結果からわかることは、ATIのMOBILITY RADEONを搭載しているとはいえ、3D性能はほとんど期待できないということだ。「Low Detail」の3D Gameテストでもカタカタとした動きしか得られないし、描画も省略されている場合が多い。
ただし、PCMark2002Proの結果と同様、この手のミニノートPCにそれほどグラフィックス性能が必要であるとは思えない。この結果は、参考程度に捉えておいた方がよいだろう。
昼間の屋外でもよく見えるFLバックライト付き高輝度TFT液晶を採用

一方、モバイル環境への配慮という観点では、FMV-BIBLO LOOX S80シリーズはなかなか優れたパフォーマンスを見せている。採用されている液晶は、8.9型ワイドのFLバックライト付き高輝度TFT液晶。高輝度で鮮明な液晶表示は、太陽光があたる屋外でも高い視認性能を誇っている。1,024×600ピクセルの液晶解像度も、操作に十分な広さを備えているといえるだろう。また、仮想画面によりデスクトップをスクロールさせれば、最大1,600×1,200ピクセル(16ビットカラー)が実現可能だ。
バッテリ持続時間は、標準バッテリで約4.3時間。1,900mAhという小さめのバッテリ容量で、これだけの連続駆動を実現しているのは立派である。さらに、オプションの内蔵バッテリパック(L)を使用すれば、最大約8.8時間の連続駆動が可能となる。「処理速度より持続時間」、これがCrusoe採用の大きな要因となっているわけである。
[相澤裕介, ITmedia]
前のページ
| 3/4 | 次のページ
|