PCUPdate：“高画質”と“保存性”を両立――エプソン、「つよインク」の新カラリオ

> ニュース		2003年9月25日　07:05 PM 更新

“高画質”と“保存性”を両立――エプソン、「つよインク」の新カラリオ（2/2）

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　インクの分子構造から、空気中のオゾンや光に弱かった部分を強化し、耐オゾン性を従来の染料系インクに比べて大幅に強化。従来から定評のある色再現性に優れた写真画質プリントの長期保存を可能にした。

　「従来の染料系インク分子は、基のない部分があったため、そこをオゾンが攻撃して分子構造が破壊されて“退色”というカタチで表れていた。新開発のインクは、弱い結合部分に基を設けてオゾンの攻撃をシャットダウン。染料インクながら、耐光性で20年、耐オゾン性で10年という大幅な保存性能向上を実現した」（同社）。

従来のインク分子構造（上）と、新開発のPM-Gインクの分子構造（下）

　このPM-Gインクは、A4インクジェット機「PM-G800」「PM-G700」と、複合機「PM-A850」、ダイレクトプリント機「PM-D750」に採用。すべて6色インクを使用し、高い色再現性と階調表現を可能にしている。

　PM-G800は、従来の最上位モデル「PM-980C」とほぼ同等のパフォーマンスを装備。1.5ピコリットル＆MSTD技術で、最大2880×1440dpiの高解像度印刷が行える。オートクリーニング/オートギャップ調整/プラテン誤印字防止など、簡単印刷が行える新機能を搭載した。PX-G900と同様の超低騒音仕様で、インタフェースにはUSB2.0を採用。

980Cのスペックを継承するハイパフォーマンスモデルのPM-G800

　PM-G700は、実売2万円前後ながらも6色PM-Gインクを採用したコストパフォーマンスの高いモデル。インクドットサイズは3ピコリットルで、解像度は最大2880×720dpi。新開発の65×90nヘッド採用で、従来上位モデル「PM-940C」と同等のパフォーマンスを実現した。

ハイコストパフォーマンスモデル「PM-G700」

　ダイレクトプリント機「PM-D750」は、PM-G700と同じ最新の印刷エンジンを採用。6色PM-Gインクで、高画質と高保存性を両立させている。

ダイレクトプリント機「PM-D750」

　各種メモリーカード対応スロット（SDメモリーカード/メモリースティック（PRO）/コンパクトフラッシュ/xDピクチャーカード/スマートメディア）やUSB（PictBridge/USB DIRECT-PRINT）のほか、別売りオプションでワイヤレス接続（赤外線、Bluetooth）に対応し、PCを介さずにデジタルカメラや携帯電話から直接プリントが行える。

各種メモリーカード対応スロット、USB、ワイヤレス接続などで、PCレスで高画質プリントが行える

本格的な写真対応複合機「PM-A850」

　注目は、スキャナ/プリンタ/コピー/フィルムスキャナ/ダイレクトプリント機能を一体にしたオールインワンモデル「PM-A850」だ。

スキャナ/プリンタ/コピー/フィルムスキャナ/ダイレクトプリント機能を一体にした「PM-A850」

　従来の複合機は、スキャナと印刷機構のマッチングに時間がかかるために、一世代前の印刷エンジンを搭載したり、スキャナ機能もワンランク低いものになるケースが多かった。

　だが、今回のPM-A850は、最新の6色PM-Gインクをはじめ、従来上位機「PM-930C」と同等の高速印刷など、最新の印刷エンジンを採用。またスキャナも、撮像素子にα-Hyper CCD（2400×4800dpi）を使い、透過原稿読み取りユニット標準装備、PCレスScan機能など最新の仕様を装備。ダイレクトプリントも新製品のPM-D750と同じ機能（カードダイレクト、USBダイレクト）にするなど、すべてが最新仕様で複合機に対する同社の意気込みが感じられるモデルだ。

スキャナ部には透過原稿読み取りユニットを標準装備。銀塩フィルムのネガ/ポジや紙焼き写真から画像を簡単に取り込むことができる

　「当社の技術的なアドバンテージは、印字時に熱を与えないためインク選択肢が広い“ピエゾ素子方式”、保存性に優れた“顔料系インク”、そして“独自のデジタル画像処理”の3点。今回の新製品は、この優位性を存分に生かしたラインアップが揃った。染料、顔料ともにインクを新開発することで、高画質と保存性を高い次元で達成している。特に、成長著しい複合機市場に向けたPM-A850に期待している」（情報画像事業本部長の丹羽憲夫氏）