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屋内基地局で子どもの位置を把握――ドコモ「迷子探しサービス」の実力は神尾寿のMobile+Views(1/2 ページ)

端から端まで、約1.5キロ――。埼玉県越谷市の「イオンレイクタウン」は、“原宿・表参道一帯が1つのショッピングセンターの中にすっぽりと入ってしまう”くらい大規模なショッピングセンターとして知られる。この施設の“迷子探しサービス”に採用されたのが、屋内基地局設備を利用したドコモの位置情報検出技術だ。

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Photo 迷子探しサービスの端末が入った水鳥型ポシェット。子どもが肩から提げやすい大きさ・デザインになっている。写真提供:NTTドコモ広報部

 大規模ショッピングセンターは「子ども連れのおでかけ」にとって、この上なく便利なところだ。ショッピング施設が充実しているのはもちろんのこと、さまざまなレストランで食事を楽しみ、アミューズメント施設で遊ぶこともできる。なによりも“子どもが安心して歩ける”広々とした施設環境が親にとって最大の魅力だ。

 しかし、ショッピングセンターは施設の広さゆえに、我が子が迷子になることへの不安はつきまとう。クルマがいない安心感から、子どももうろちょろと歩き回りがち。「ふと目を離したら子どもの姿が見あたらない」といった経験をした人も少なくないだろう。

 大規模ショッピングセンターにおける「迷子」の不安をどう解消するか。

 この課題に対して、NTTドコモとイオンが、親のケータイから簡単に利用できる「迷子探しサービス」を開始した。最初の導入事例は国内最大級のショッピングセンターである「イオンレイクタウン」であり、すでにサービス提供中だ。

 今回のMobile+Viewsでは、イオンレイクタウンが導入した迷子探しサービスを取材。携帯電話システムを用いた位置把握システムの内容と、サービスの現状についてリポートする。

端から端まで、その距離1.5キロ。イオンレイクタウンは「街並み」

Photo 国内最大級のSCである「イオンレイクタウン」

 敷地面積約26万平方メートル、店舗面積も約22万平方メートルを越える巨大ショッピングセンター。それが埼玉県越谷市にある「イオンレイクタウン」である。むろん、その大きさは国内最大級である。

 「イオンレイクタウンは『kazeエリア』と『moriエリア』に分かれていて、連絡通路がこの2つのエリアを結ぶ構造になっています。(kazeエリアとmoriエリアの)両端距離は約1.5キロ。ほとんど、1つの街といってもいい大きさです」(イオン SC事業本部イオンレイクタウン事業部SC企画部マネージャーの御殿谷昌彦氏)

 この大きさを都内にあてはめてみると、両端距離は「原宿駅から表参道交差点あたりまでと考えると分かりやすい」(御殿谷氏)。つまり、原宿・表参道一帯が1つのショッピングセンターの中にすっぽりと入ってしまうイメージだ。

 これほど大規模なショッピングセンターであるため、その計画当初から重要な課題になったのが「迷子対策」だったという。

 「ショッピングセンターで重要なのは、お客様に『楽しく回遊していただく』ことです。特に小さなお子様を持つファミリーにとって、安心できる場所でなければなりません。

 一方で、ショッピングセンターの規模が大きくなるほど、迷子問題も大きくなります。迷子になったお子様をどれだけ早く見つけるかという部分に、(イオン側の)強いニーズがありました」(御殿谷氏)

 例えば、イオンレイクタウンより規模の小さいショッピングセンターである「イオン浦和美園」でも、平日に平均10件、休日になると平均30件程度の迷子が発生するという。迷子が発生すると多くの従業員が捜索するが、「規模が広くなるほど捜索範囲が広がって、発見が大変になる」(御殿谷氏)。そこで導入したのが、ドコモが提案した「迷子探しサービス」だ。

 「ドコモのソリューションを選んだ理由は、技術的な優位性もさることながら、(ショッピングセンターを訪れる)お客様の立場にたったユーザー中心のソリューションとして優れていたからです」(御殿谷氏)

 特に今回はドコモとイオン双方にとって初めての試みになったが、サービス開発はもちろん、導入や運用に関するサポート体制も優れていたと御殿谷氏は振り返る。

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