可視光通信、屋内GPS、ARを複合 大阪で次世代情報サービスの実験
「e空間Kansai」コンソーシアムが、LED可視光通信や屋内GPS、ARを組み合わせた情報サービスの実証実験を行う。ショッピングを楽しく演出する“宝探しゲーム”に、各技術が活用される。
「e空間Kansai」コンソーシアムは2月10日、LED可視光通信や屋内GPS、拡張現実(AR)技術を組み合わせた情報サービスの実証実験「光のマジカルクエスト in 阪急三番街北館〜ポン・デ・ライオンと宝探し〜」を、大阪・梅田の阪急三番街北館で実施すると発表した。
今回の実験では、屋内GPSによる位置連動型の情報提供とLED可視光通信を活用し、宝探しゲームを実施する。可視光通信とは、照明を高速に点滅させることでデータ通信を実現する技術であり、今回のゲームでは施設の各スポットに設置された“秘密の光”を専用端末で受信することで、アイテムを入手できる。また、エスカレーターなど要所ごとに設置された照明を通過することで、行動支援情報が提供される。
現実環境に対する知覚をITで強化することをARと呼ぶが、今回は可視光通信を使ってユーザーの居場所に即した情報提供や行動支援を行うことで、ARを実現したとしている。近年実用例の多い、カメラ映像に電子情報を付加するARは採用されていない。
この実験は経済産業省の「平成21年度 ITとサービスの融合による新市場創出促進事業 (e空間実証事業)」の一環として実施され、ITによる街の活性化の実現を目的に、街と興味を結ぶ「フィールド・エンゲージメント・サービス」というコンセプトのもとで取り組まれる。なお、「e空間Kansai」コンソーシアムは、電通、パナソニック電工、日立製作所、NEC、財団法人都市活力研究所、トーセ、ネットワークサイエンス研究所、NTT西日本で組織される。
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