Far EasToneとQualcomm、台湾でのMediaFLO事業会社設立に向け覚書を締結
台湾の大手通信キャリアFar EasToneと米Qualcommが、台湾でMediaFLOサービスの展開を目指し、モバイルマルチメディア放送事業会社の設立に向けた覚書を締結した。
台湾の大手通信事業者Far EasToneと米Qualcommは7月7日(現地時間)、台湾でMediaFLOを採用したモバイル機器向けマルチメディア放送事業を展開する可能性を探るべく、モバイルマルチメディア事業者の設立に向けた覚書(Non-Binding MOU)を締結したことを明らかにした。
台湾では、日本での総務省に当たる、監督官庁のNational Communications Commision(国家通信放送委員会)が、2011年初頭にUHF帯の周波数オークションを実施する見込みで、モバイルマルチメディア放送に2つの免許を発行すると考えられている。今回の覚書締結はそれをにらんだ動きで、Far EastoneとQualcommはビジネスモデルやMediaFLOの事業主体がどのように構成されるかについて検討を進める。
Far EasToneのほかにも、台湾ではFoxlinkがQualcommと合弁でMediaFLO方式でのモバイルマルチメディア放送を提供するLinkMediaという企業を設立しており、免許付与へ向けてさまざまな実証実験とロビー活動を展開している。LinkMediaもUHF帯周波数オークションで免許取得を目指しており、MediaFLOを採用する事業者2社が免許取得に動き出したことになる。
日本では、NTTドコモやフジテレビ、ニッポン放送、伊藤忠商事、スカパーJSAT、日本テレビ放送網、テレビ朝日、東京放送ホールディングス、電通、住友商事らが出資するmmbi(マルチメディア放送)と、KDDIとクアルコムジャパンが出資するメディアフロージャパン企画の2社が、ISDB-Tmm方式とMediaFLO方式で1枠の免許割り当てに対して申請を出している。
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