SFC研究所とZenitumがARアプリ「ARAD-Japan」でAR広告の効果を検証
慶應義塾大学SFC研究所と韓国のZenitumが、ビジョンベースのAR広告の実証実験を開始。AR広告を表示するiPhoneアプリ「ARAD-Japan」を使い、実験協力企業にAR広告の誘導効果などを検証してもらう。
慶應義塾大学SFC研究所と韓国のZenitumは、AR(拡張現実)コンテンツを表示するiPhoneアプリ「ARAD-Japan」を使い、AR広告の効果を検証する実証実験を開始すると発表した。6月末まで実施する。
ARAD-Japanは、画像を認識してiPhoneのカメラ映像に3Dコンテンツを重ね合わせるARアプリ。ポスターなど特定の画像にかざすことで3Dコンテンツが飛び出し、Webサイトへの誘導などが図れる。
今回の実証実験では、アプリを通じた予約サイトやホームページ、イベントへの誘導実績を解析し、AR広告の効果を検証する。実験に協力する企業は、プロントコーポレーション、アサツー ディ・ケイ、クロスオーシャンメディアの3社。
プロントでは、各店舗で配布するフリーペーパー「pronjo pronjo?」表紙裏のロゴをARアプリで認識できるようにし、「女子会」に関するコンテンツ提供やプロント各店での女子会予約サイトへの誘導を図る。また、同社はARの取り組みについて紹介する特設ページも開設した。
アサツー ディ・ケイは、4月16日公開の「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦」のポスターを利用し、3Dのクレヨンしんちゃんコンテンツの提供や、「クレヨンしんちゃん20周年記念サイト」への誘導を行う。
クロスオーシャンメディアは、プロントとアサツー ディ・ケイの取り組みと連携し、東京都内305店舗のローソンに設置されたデジタルサイネージ「東京media」でプロントの案内ロゴやクレヨンしんちゃんのポスターを表示する。また、東京mediaのポータルサイトにARADの使い方紹介ページを設ける。
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