亀田総合病院グループとNTTグループ、遠隔医療の実証実験をスタート:Androidタブレットも活用
診療や介護を遠隔から支援する「遠隔医療」の実証実験がスタート。在宅患者と医師らをブロードバンド回線で結び、離れた場所からの診療や指導、医療データの登録などについて検証する。
亀田総合病院グループとNTTグループが、在宅患者の診療や介護を遠隔から支援する遠隔医療の実証実験を開始する。期間は2月1日から3月末までを予定しており、4月以降も新たなモデルを追加して継続する計画だ。
実証実験では、亀田総合病院と介護サービス施設、調剤薬局、患者宅をブロードバンド回線で結び、テレビ電話を利用した在宅医療や医療情報の自動登録に関する検証を行う。
具体的には(1)医師が遠隔医療システムを利用して在宅患者の往診の一部を行うモデル (2)医師、看護師と介護ヘルパーが介護記録システムを利用し、患者の状態を共有することで必要に応じたケアを行うモデル (3)対面による服薬指導後に、ICTを活用した服薬状況の確認や情報提供を行い、服薬コンプライアンスの向上を支援するモデル (4)患者が日々のバイタルデータを登録し、医療機関の看護師が医師の指示のもとで遠隔からそのデータを確認し定期的に介入して支援や患者教育を行うモデル の4モデルを検証することで導入に向けた評価を行う。
役割分担は、亀田総合病院が遠隔医療に関わる実証フィールドやノウハウ、亀田産業が在宅介護に関わる実証フィールドやノウハウを提供。NTTは実証実験の管理運営やシステム開発、評価・検証を手がけ、NTT東日本は「フレッツ 光ネクスト」などのネットワークサービスを提供。NTTドコモはFOMAのネットワークサービスを提供するとともに、Androidタブレットを利用したケースの評価・検証を行う。
医師や患者らをつなぐネットワークには、NTTグループのブロードバンドネットワークを活用。Androidタブレットの利用時にはSSLクライアント認証でなりすましを防ぐ。また、最新の防水タブレットも提供し、現場の実用性についても確認するという。
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