全日本空輸(ANA)は8月28日、同社グループのパイロット約2500人にiPadを配布すると発表した。同社はiPadを利用した客室乗務員の業務改善に成功しており、導入範囲を拡大する。
iPadの導入で目指すのは、(1)高品質なオペレーションの実現(2)無駄のない燃料搭載の実現(3)マニュアル管理業務の改善。高品質なオペレーションは、これまで入手できる場所が限られていた運行情報について、時間や場所を選ばず最新の情報を入手できるようにすることで、揺れの少ない飛行ルートや高度の選定をしやすくし、安定性の向上を図ることで実現する考えだ。
無駄のない燃料搭載は、機内搭載マニュアルを電子化することで機体重量を削減するとともに、最新の旅客予約情報と搭載貨物情報に基づいた飛行計画の作成で実現を目指す。
マニュアル管理業務の改革については、数千ページにおよぶマニュアルを電子化し、印刷費用の削減や配布・管理を効率化を図る。これによりパイロットは、最新マニュアルの管理が容易になるほか、時間や場所を選ばず知識を習得できるようになり、スキルの維持や向上を図れるという。
同社では9月から、約300人のパイロットにiPadを配布して3カ月の運用検証を行い、2013年2月から全パイロットに配布する予定としている。
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