スマホ利用のカード決済サービス、米Grouponも参入――「Groupon Payments」
米Grouponが、スマートフォンを利用したクレジットカード決済サービス「Groupon Payments」を発表。手数料を安価にすることで、先行するSquareやPayPal Hereに対抗する。
共同購入クーポンサービス大手の米Grouponは9月19日、スマートフォンを利用した小売店向けクレジットカード決済システム「Groupon Payments」を発表した。導入コストや手間、設置場所などの問題から、クレジットカードの決済手段を持てなかった店舗に普及させるのが狙いだ。
Groupon Paymentsは、Grouponが提携ショップ向けに用意しているモバイルアプリ「Groupon Merchants」の最新機能として提供するもの。サンフランシスコの試験運用を経て、正式サービスを開始した。店舗はGrouponが無料で配布するクレジットカード読み取り機をスマートフォンに装着することで利用でき、場所や時間を問わずにクレジットカードやデビットカードを利用した決済手段を提供できるようになる。イヤフォンジャック経由で接続する無料の読み取り機のほか、有料(100ドル)でカード読み取り機能付きのスマートフォンケースも販売する。
スマートフォンを利用したクレジット決済サービスはSquareやPaypal(PayPal Here)、米Intuit(GoPayment)らが提供しており、Grouponはこれらのサービスと競合することになる。Grouponは、手数料を低く抑えることで優位に立とうとしているとみられ、その金額は「1回の決済につき15セント+決済額に応じた手数料」となっている。MasterCard、VISAなどは1.8%、AmericanExpressは3%に設定されており、現時点では最低レベルだという。
Groupon Merchantsには、Grouponバーコードの読み取り機能やクーポンの利用履歴参照機能などがあり、Groupon Payments Centerにアクセスすればリアルタイムで取引履歴を閲覧できるほか、売上報告などの分析・リポート機能も利用できる。アプリはAndroid版も提供されているが、クレジット決済に対応しているのは、現状、iPhone/iPod touchのみ。提供地域も、現状では米国のみとなっている。
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