KDDIの上期決算は減収減益、今は「成長が確かになりつつある潮目の時」――田中社長
KDDIの中間決算は減収減益となったが、「進捗は計画通り」と田中社長。auモメンタムは完全回復したという認識で、3M戦略の基盤構築がほぼ完了した今期を「成長の起点の年」と位置付けた。
KDDIは10月24日、2012年度の第2四半期の決算を発表した。連結業績は、売上高が前年同期比0.2%減の1兆7406億円(進捗率48.6%)、営業利益は13.3%減の2312億円(進捗率46.2%)で減収減益となったが、2Q単独では増収増益に転じるなど明るい兆しも見えており、同社代表取締役社長の田中孝司氏は「進捗は計画通り」と説明した。
パーソナル(個人向け事業)セグメントでモバイル通信料収入が下がっていることが業績に影響しているが、3M戦略の成功で固定系収入が増加しており、減少が続いていた通信ARPUもほぼ底を打ったと見られるため、今後は反転に向かうと予測する。成長のカギとなるデータARPUの伸びも好調で、契約数についても純増数が最も好調だった2007年度と同じ水準まで回復するなど好材料が多いことから、今が「来期に向かって成長が確かになりつつある潮目の時」(田中氏)という見方を示している。
下期は、前年同期に発生していた300億円規模の周波数再編コストが解消されるほか、これまでソフトバンクモバイルが独占的に扱っていたiPadシリーズを手がけるようになるなど明るい話題も多い。田中氏は「auモメンタムは完全回復したという認識。3M戦略の基盤構築はほぼ完了し、今期を成長起点の年と認識している」と上期を振り返り、「来期は成長タームに載せていきたい」と意気込んだ。
タブレット市場、使い方の提案がポイントに
日本時間の10月24日に発表されたAppleの新しいiPadシリーズ。KDDIはiPhoneに続き、iPadの取り扱いも開始することになった。
同社の中でのiPadの位置付けを問われた田中氏は、「iPadも(11月末の商用化を予定している)「Smart TV Box」も、3M戦略の1つの要素だと思っている」といい、スマートフォンやタブレット端末、PC、テレビをシーンごとに使い分ける世界をつくっていきたい」と話す。
また、タブレット市場については、「海外に比べると日本は後進国。使い方を提案することが、この市場を切り開くポイントになる」(田中氏)という見方を示している。
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