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Samsungが王座を固め、Nokiaはトップ5圏外へ――スマートフォンのメーカー別シェア調査リポート

IDC、Juniper Researchが、世界の携帯メーカー別出荷台数シェアを発表。Appleに倍以上の差をつけたSamsungがトップの座を守り、Nokiaはトップ5圏外に転落した。

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 スマートフォンメーカーの熾烈なシェア争いが繰り広げられる中、SamsungとAppleの一騎打ちという構図が固まりつつあるようだ。10月末に発表された2つの調査リポートから、そんなトレンドが浮き彫りになった。

 調査会社のIDC、Juniper Researchがそれぞれ発表した2012年7月〜9月のスマートフォンの出荷台数調査によると、Samsungはフラッグシップ端末「Galaxy S III」の好調な売れ行きが奏功し、首位の座をがっちりと固めている。IDCの調査によると、Samsungの出荷台数は2位のAppleに倍以上の差をつける5630万台に達し、シェアは31.3%を獲得した。IDCによると、1社がシェア3割以上を占めたのは、2009年第4四半期から約3年ぶりだという。

 Juniper ResearchではGalaxy S IIIの出荷台数を1800万台と予想し、「驚異的な成功」と評価。Samsungの成功要因の1つとして、ブランド力をうまく活用していることを挙げている。IDCは、Galaxy S IIIのほか、Windows Phoneも投入しているSamsungの幅広い端末ラインナップも強みになっていると指摘する。

 2位は2690万台を出荷したAppleで、15%のシェアを獲得した。出荷台数は前年同期比で57.3%増加し、シェアは13.8%から1.2ポイント伸ばした。10月後半に発売された「iPhone 5」も、すでに出荷台数の伸びに貢献しており、500万台以上をiPhone 5が占めるという。なお、iOS 6に搭載されたMapアプリの出来の悪さはiPhoneの売り上げにはほとんど影響しておらず、IDCではその理由について「LTEへの対応や大きめの画面がさらなる関心を集めているため」と分析している。Juniper Researchは、第4四半期にはiPhone 5の販売エリアが拡大することなどから、Appleの出荷実績がさらに好転すると予想している。

 IDCの調査では、3位がResearch In Motion(RIM)で出荷台数770万台(シェア4.3%)、4位はZTEで同750万台(シェア4.2%)、5位はHTCで同730万台(シェア4%)としている。

 かつて携帯電話市場の王者であったNokiaは、スマートフォン市場ではトップ5圏外に転落し、携帯電話全体では2位(1位はSamsung)の座を維持したものの、前年同期と比べると販売台数は22.2%のマイナスでシェアは24.5%から18.7%へと急速に縮小している。

 フィーチャーフォンでは、トップシェアを誇っていた中国市場でHuaweiやZTEなどの地元ベンダーにシェアを奪われ、スマートフォンではWindows Phone事業が軌道に乗っていないことが、Nokiaのシェアの低迷につながっている模様。Juniper Researchによると、Nokiaが第3四半期に出荷したWindows Phoneは630万台にとどまっており、IDCでは「Nokiaのシェア損失は、競合他社にチャンスをもたらしている」と分析している。しかし一方で「スマートフォン市場はまだ比較的新しい市場であり、Nokiaを含む複数のベンダーとOSが入り込む余地はある」と指摘している。

 Juniper Researchの調査でトップ5圏外となったLGの出荷台数は、前年同期比24%増の700万台となり、一時期の低迷状態から好転してはいるが、まだスマートフォンラインナップの改善が必要というのがJuniperの見方だ。IDCの携帯電話全体の市場調査ではLGは第4位、出荷台数は前年同期から33.6%減少し、シェアは14%となっている。

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