iOS責任者退任はマップの謝罪拒否が原因か──Wall Street Journal報道
Appleが9月末にティム・クックCEOの署名入りで公開したiOS 6のマップに関する謝罪書簡は、本来は責任者のスコット・フォーストール氏の署名になるはずだったが、同氏がこれを拒否したという。
米Appleが10月29日(現地時間)に発表したiOS担当上級副社長、スコット・フォーストール氏の退任の直接の原因は、同氏がiOS 6のマップについて謝罪するのを拒否したこと──。米Wall Street Journalがこの件に詳しい筋の話として伝えた。
AppleはiOS 6の地図アプリを、従来のGoogle Mapsベースのものからオリジナルのエンジンに差し替えたが、OSのリリース当初から、このマップに多数の問題があるとしてユーザーからの批判が高まっている。これに対し同社は9月28日、ティム・クックCEOの署名入り公開書簡で正式に謝罪した。
本来はこの謝罪を、直接の責任者であるフォーストール氏の署名で行うはずだったが、同氏はこれを拒絶したという。この後同氏は退任を求められたと情報筋は伝えている。
フォーストール氏は1997年に故スティーブ・ジョブズ氏が立ち上げた米NeXTからApple入りしたベテランだが、Wall Street Journalによると、同僚の評判は悪く、上級副社長の間でも長年、同氏が非協力的で故スティーブ・ジョブズ氏との親しい関係を誇示するところがあると不評だったという。ジョブズ氏が亡くなった後、フォーストール氏と他の上級副社長との関係はさらに悪化していたという。
フォーストール氏はマップ問題に関して、謝罪すべきではないと主張し、クックCEOや他の上級副社長と対立したと情報筋は語った。
フォーストール氏が担当していたiOSはMacソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリーギ氏が、マップはインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長のエディ・キュー氏がそれぞれ引き継ぐ。
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