小型の低価格モデルが市場を牽引――IDC、タブレットの出荷台数予測を上方修正:調査リポート
米IDCは12月5日、タブレット市場の最新の動向予測を発表した。端末の小型化と低価格化でタブレット出荷台数の増加が見込まれることから、予想値を上方修正している。
米IDCは12月5日、タブレット市場の最新の動向予測を発表した。端末の小型化と低価格化でタブレット出荷台数の増加が見込まれることから、予想値を上方修正している。
最新の予測では、2012年のタブレットの出荷台数を1億2230万台とした。これは、当初予測の1億1710万台から520万台上乗せされている。2013年と2016年の予測も、それぞれ1億7240万台、2億2870万台に上方修正した。
上方修正の背景にあるのは、タブレット端末の小型化と低価格化というトレンドで、具体的にはAndroidタブレットの人気の高まりとiPad mini(Apple)の堅調な需要が後押ししている。Androidは「Kindle Fire」ラインで低価格タブレットを提供するAmazon、「Nexus」ブランドのGoogle、それにSamsungなどが好調で、市場の活性化に一役買っているという。タブレット市場をリードしてきたAppleは、新世代のiPadとiPad miniにより年末商戦を有利に展開できると分析する。
OS別シェアも見直しを図り、2012年はiOSがシェア53.8%でトップとなり、2位はAndroid(42.7%)、3位はWindows(2.9%)と予想する。iOSは年平均成長率20.9%で推移し、2016年も49.7%で首位を維持すると予測。Androidは年平均成長率21%で2016年は39.7%のシェアを獲得するとみる。最も高い成長が見込まれるのは3位のWindows(Windows RTとWindows 8)で、2016年まで年平均成長率69.2%で成長し、2016年に10.3%のシェアを獲得すると予想している。
なお、タブレット市場が成長する一方で、電子書籍リーダーは縮小に向かうとみており、IDCでは2012年の出荷台数を1990万台と予想。これは2011年の2770万台から800万台近くの減少となる。
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