女子高生の4割が「ネットで知り合った人に会ってみたい」――未成年者の携帯・スマホ実態調査で:調査リポート
未成年者の携帯電話の利用実態調査から、スマホの所有率が2011年の倍以上に伸びたことや、携帯電話のネット利用が見知らぬ人との出会いのきっかけとなっていることなどが分かった。
携帯端末向けフィルタリングソフトの提供で知られるデジタルアーツが、未成年者の携帯・スマートフォンの利用に関する実態調査結果を発表した。
2011年の同時期に行った調査と比較して、スマートフォンの所有率が大きく伸びていることや、携帯・スマートフォンによるネット利用が見知らぬ人と知り合うきっかけとなっていることが分かる。特に女子高校生のスマートフォン所持率やアプリ利用率の高さ、利用時間の長さが目立つ。
携帯・スマートフォンの利用傾向
所有する端末の種類は、スマートフォンが2011年11月調査時の14.4%から37.4%に大きく伸びた。高校生では60%以上、特に女子高校生に限ると65%(2011年11月時20.9%)と高い所有率となっている。
フィルタリングの使用率は全体で37.2%だが、高校生では「自由に見られない」ことを理由として使用率が下がる傾向が見られた。特に女子高校生は26.2%と低い結果となった。スマートフォンを利用する未成年者へのフィルタリングは義務づけられているが、利用率は高いとはいえない。
1日の端末の利用時間は学齢が高いほど長くなる傾向があり、女子高校生では「1〜3時間」27.2%、「3〜6時間」24.3%。スマートフォン非所有者と所有者の利用時間の差も顕著で、スマートフォン比所有者が「1時間未満」77.8%に対して、所有者は「1〜3時間未満」39.8%と高い。
リアルな友達との連絡手段は、「メール」78.2%、「電話」55%、「LINE」22.5%、「Twitter」12.9%の順。女子高校生は「メール」81.6%に次いで「LINE」が54.4%と高い利用率を示している。
ネット上で知り合った人とのコミュニケーションの傾向
知らない人と知り合いになったSNSは「Twitter」34.9%、「mixi」22.8%、「LINE」21.0%。男子高校生では「LINE」が40%と高い。ネットで知り合った人との連絡頻度では、21.9%が「毎日」と回答している。
女子高校生は、ネット上で知り合った人の詳しい状況を知っている傾向が強く、「住んでいる地域」79.0%、「年齢・生い立ちや家族構成・家庭環境」70.4%、「職業」45.7%などとなっている。女子高校生は知り合った人とのコミュニケーションをさらに深めたいと考える傾向も高く、「これから会いたい・既に会っている」という回答は、半数を超える53.1%に達している。
携帯・スマートフォンを持つようになってからネット上のコミュニケーションが増えたと回答したのは、未成年者全体で19.1%、ここでも女子高校生は45.6%と高く、男子高校生が次いで33.0%となっている。
全体として未成年者へのスマートフォンの急速な普及と、女子高校生に顕著な利用時間とアプリ利用率の増加、ネット上のコミュニケーション行動の深化が目立った調査結果となった。
この調査はデジタルアーツが東京成徳大学の田村節子教授の監修のもと、携帯電話・スマートフォンを所持する全国の10歳〜18歳の男女618人、およびその保護者層618人を対象に、インターネットを通じて11月9〜10日に実施した。有効回答数は1236サンプル。
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