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集配トラックにも電気自動車、ヤマト運輸が「クール宅急便」に利用:電気自動車
近距離を走る宅配用の車両に電気自動車を採用する動きが広がってきた。ヤマト運輸は冷凍・冷蔵用の「クール宅急便」の車両として3月中旬から東京都内で実証運行を開始する。車内の冷凍・冷蔵庫もバッテリーで稼働するため、走行時の排出ガスがゼロになる。
ヤマト運輸が導入する電気自動車(EV)による小型トラックは、トヨタ自動車・日野自動車と共同で開発したものである(図1)。日野自動車が開発した積載量1トンの超低床EVトラックに、3社で仕様を企画した冷凍・冷蔵バンを荷台に搭載した。3月中旬に東京都内に2台を配備して、約1年間かけて実証運行する。
荷台に設置した冷凍・冷蔵庫もEVのバッテリーで稼働でき、トラックの走行時に排出するガスがゼロになる。さらにEVで騒音が小さいことから、早朝や深夜に住宅街で集配する用途にも適している。
このEVトラックの大きな特徴として、荷台の床面が従来の約半分の高さになった点が挙げられる(図2)。前輪駆動でモーターを運転席の下に設置したことにより、運転席の後部にある荷台を低くすることが可能になった。従来のトラックでは荷台の床面が86センチメートルだったのに対して、EVトラックは約半分の44センチメートルに下がる。それだけ荷物の出し入れがラクになる。
3社は1年間の実証走行の結果をもとに、宅配に適したEVトラックを商品化する計画だ。日野自動車は2001年にトヨタ自動車からの出資を受けてグループ入りして以降、トヨタグループで販売するトラックやバスの生産を担当している。
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