ニュース
四国で風力発電が急拡大、60万kWまで受け入れ可能に:電力供給サービス
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは発電する出力が変動するため、電力会社は受け入れる量を制限して送電ネットワークを安定させている。四国電力は従来の25万kWの制限を60万kWに拡大して、増加する風力発電所からの送電に対応できるようにした。
四国電力は風力発電の受け入れ(連系)可能量を25万kWに制限してきた。しかし四国には風力発電に適した地域が多く、大規模な発電所の建設プロジェクトが相次いだため、1年前の2012年5月に中部電力と関西電力に送電する方法で20万kWの増加を決めていた。さらに風力発電の出力を平準化できる見通しがついたことから、新たに15万kWを増やして合計60万kWまで受け入れる。
他の電力会社に送電する分で増やした20万kWについては、早くも対象になるプロジェクトが確定した。愛媛・徳島・高知の3県で建設中の8か所の風力発電所が対象になる(図1)。特に愛媛県が4か所あり、合計すると10万kWを超える規模になる。メガワットに換算すると100MW超である。
四国電力の上限拡大に伴って、関西電力も兵庫県・淡路島の南部地域で風力発電の受け入れ量を増やす。兵庫県と徳島県のあいだにある淡路島は関西電力の管内だが、島の南部は四国電力から供給を受けている(図2)。このため風力発電設備を送電ネットワークに接続する場合は四国電力の条件に合わせる必要があり、受け入れを制限してきた。
関連記事
- ミカンやタオルからバイオマスを、風力と太陽光も拡大中
日本列島エネルギー改造計画(38)愛媛 - 電力自給率100%を目指す淡路島、風力から太陽光・バイオマスまで
日本列島エネルギー改造計画(28)兵庫 - 風力発電の拡大に備え、中国電力が連系容量を100万kWに増加
従来の上限62万kWが限界に近づく - 200MWまでの風力発電を連係、北海道から東京へ送電可能に
風力の余剰電力を送電する実証実験を開始 - キーワード解説:送配電ネットワークに電気設備を接続する「連系」
発電した電力を買い取ってもらうために必要
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.