牧場の跡地に1MWのメガソーラー、農地転用を避ける配置で:自然エネルギー
日本再生トラストは、北海道の太平洋岸、浦河町に出力1MWのメガソーラーを建設し、発電を開始した。農地転用手続きをクリアするため、太陽電池モジュールの配置を工夫したことが特徴だ。
投資ファンドである日本再生トラストは、北海道浦河町に出力1MWのメガソーラーを建設、2013年7月から運転を開始した。北海道電力の浦河営業所管轄内としては初のメガソーラーとなる。
浦河町は北海道の湘南地方とも呼ばれ、夏涼しく冬温暖な気候をほこる。主な産業はサラブレッドの育成であり、300の生産・育成牧場で約4000頭のサラブレッドを育てているという。
今回の「スマートファーム浦河ソーラー発電所」は、このような育成牧場の1つグランファームの跡地に建設された。課題は農地転用だったのだという。ほとんどの地目が農地として登録されており、6万坪(約20ha)の敷地のうち、農地以外の山林などに登録されていた部分2.15haを選んでメガソーラーを敷設した。このため、一般的な碁盤の目のような太陽電池モジュールの配置をとっていない。敷地の中央部にパワーコンディショナーを置き(図1)、太陽電池モジュール4350枚のうち、約4割を西側に集中配置、約6割を分散配置した(図2)。
総投資額は約4億1000万円。2012年1月に土地を保有していた企業を買収し、2012年10月から工事を開始。設計・調達・建設(EPC)は大部分を北海電気工事に依頼、北海道でんき保安協会が管理・運営(O&M)を担う。日本再生トラストが運営し、発電した電力を全量、固定価格買取制度(FIT)を利用して北海道電力に売電する。
同社は、全国10カ所をめどにメガソーラーの展開を企画しており、2番目の案件では九州、沖縄地方を狙う。
【更新履歴】 2013年7月4日、記事公開後に図1と図2を追加しました。
関連記事
- 石油資源開発が太陽光に乗り出す、北海道で15MW
太平洋側の苫小牧市に建設 - 北海道の太平洋岸にメガソーラー、全国平均よりも良い成果を見込む
釧路に近い白糠町に設置 - 北海道のメガソーラーが限界に、緊急対策で大型の蓄電池を296億円の予算で配備
固定価格買取制度により、開発が過熱 - 再生可能エネルギー200%へ、風力を筆頭に太陽光や地熱も
連載:エネルギー列島2013年版(北海道)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.