競争入札で四国電力から新電力へ、高知県が年間2700万円を削減:スマートシティ
高知県の114カ所の施設で使用する電力が新電力との契約に切り替わる。合計143カ所の施設を対象に競争入札を実施した結果、四国電力が最低額を提示したのは28カ所にとどまった。新電力を加えた全施設の落札額を合計すると、四国電力の提示額と比べて2714万円も安くなる。
高知県が競争入札の対象に選んだ143カ所は、県の合同庁舎など知事部局が管轄する65施設のほか、高等学校など教育委員会が管轄する61施設、警察署など公安委員会が管轄する17施設である。このうち114カ所で新電力3社が四国電力よりも低い金額を提示して落札した(図1)。
落札額が最も大きかったのは新電力で最大手のエネットで、38施設で年間1億4701万円だった。次いで日本ロジテック協同組合が44施設で1億3565万円、四国電力が28施設で1億2070万円、ミツウロコグリーンエネルギーが32施設で1億1581万円の順である(図2)。知事部局が管轄する1カ所だけは各社の応札額が予定価格を下回って不落に終わった。
四国電力は143施設すべてに応札して、不落の1カ所を除く142カ所に合計で5億4634万円を提示していた。新電力3社を加えた実際の落札額は5億1920万円で、四国電力の応札額と比べて2714万円も安かった(図3)。今回の競争入札によって高知県は年間の電気料金を約5%削減できる見込みだ。
高知県は2013年10月に2カ所の施設を対象に電力調達で初めての競争入札を実施したが、いずれも四国電力が落札していた。今回は対象を143施設に拡大したため、応札者が初回の2社から5社に増えて、落札額を引き下げる結果になった。四国電力は落札できなかった114カ所の契約変更により年間に4億円以上の売上を失う。
四国電力は2013年9月に電気料金の値上げを実施して、西日本の電力会社の中では企業向けの電気料金が割高になっている。新電力が参入しやすい状況で、四国の他の3県でも契約を切り替えるケースが増えていくことは確実だ。
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