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平等院で平安時代の「色」を再現、LED照明で実現:LED照明(2/2 ページ)
平成の大改修を終えた平等院鳳凰堂。池を正面に、左右対称の赤い柱が美しい。この鳳凰堂を夜間に照らし出すLED照明が完成した。どのような工夫があるのだろうか。
赤色を強調する照明を選ぶ
「このような要求にこたえるため、池の対岸に投光器のポールを5本設置し、それぞれを調光できるようにした。時間の経過に合わせて各ポールの明るさを制御し、鳳凰堂の陰影を変化させている。照明は小型で円筒形(直径200mm)の投光器だ。昼間の景観に溶け込む」(同社、図3)。
照明全体のバランス以外にランプ自体の特性も重要だ。鳳凰堂の柱には赤茶色の顔料(丹土)が使われている。赤色が美しく見えなければならない。「色温度を暖色系の3000Kとした。平均演色評価数(Ra)は95と高い」(同社)。
光をビーム状に放つため、ランプの明るさ(全光束)自体は1365lm(ルーメン)とそれほど大きくはない。例えば100W形白熱球の全光束は1520lm(日本照明工業会基準)だ。
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