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平等院で平安時代の「色」を再現、LED照明で実現LED照明(2/2 ページ)

平成の大改修を終えた平等院鳳凰堂。池を正面に、左右対称の赤い柱が美しい。この鳳凰堂を夜間に照らし出すLED照明が完成した。どのような工夫があるのだろうか。

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赤色を強調する照明を選ぶ

 「このような要求にこたえるため、池の対岸に投光器のポールを5本設置し、それぞれを調光できるようにした。時間の経過に合わせて各ポールの明るさを制御し、鳳凰堂の陰影を変化させている。照明は小型で円筒形(直径200mm)の投光器だ。昼間の景観に溶け込む」(同社、図3)。

 照明全体のバランス以外にランプ自体の特性も重要だ。鳳凰堂の柱には赤茶色の顔料(丹土)が使われている。赤色が美しく見えなければならない。「色温度を暖色系の3000Kとした。平均演色評価数(Ra)は95と高い」(同社)。

 光をビーム状に放つため、ランプの明るさ(全光束)自体は1365lm(ルーメン)とそれほど大きくはない。例えば100W形白熱球の全光束は1520lm(日本照明工業会基準)だ。

 省エネも進めた。これまで鳳凰堂を夜間照らし出していたのは移動式のハロゲンランプ投光器6台だ。これを固定式のLED投光器16台に置き換えることで、消費電力を約3kWから約1.36kWへと55%減らすことができた。なお、納入したLED照明の寿命は4万時間だという。これは日常使うLED照明と同じ寿命だ。


図3 投光器とポールの外観 出典:東芝ライテック

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