東京電力が「Tポイント」と提携、小売自由化に向け異業種連携を強化:電力供給サービス
東京電力がポイントサービス「Tポイント」と提携する。先日発表された「Ponta(ポンタ)」との提携に続くもので、東京電力のサービスを使用した場合にはTポイントもしくはPontaを選択してポイントを貯められるようになる。2016年の小売自由化に向け、異業種連携を進めて小売事業の強化を図る狙いだ。
東京電力は2015年5月20日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)とポイントサービスの提供について業務提携契約を締結した。その第1弾としてCCCが提供するポイントサービス「Tポイント」と提携する。東京電力は同年5月8日にポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティングに加え、リクルートホールディングスとの提携も発表しており、2016年4月にスタートする電力の小売全面自由化に備え、小売事業の競争力を強化していく狙いだ。
東京電力は現在提供している無料Web会員サイト「でんき家計簿」を刷新し、2016年1月から「暮らしのプラットフォーム(仮称)」としてサービス内容を強化する。その1つがポイントサービスの導入で、今回の提携により東京電力が提供するサービスを利用するユーザーは、利用度合に応じてTポイントもしくはPontaを選択してポイントを貯められるようになった(図1)。
現在のTポイントの利用会員は全国に5346万人いて、東京電力の管内である1都8県では、その5割強に当たる2614万人が利用している。総加盟店舗数は122社、35万店舗以上だ。
東京電力とCCCは今回の業務提携によって、Tポイントの提携先と電気契約における販売促進や電気販売の代理店といったさまざまなサービス連携や協業についても検討を行うとしている。Tポイントの提携先には、ファミリーマートやスリーエフなどのコンビニエンスストアも含まれており、これらの店頭から電気利用契約が行えるようになる可能性もある。
東京電力は2015年5月13日に今回提携したCCCに出資するソフトバンクグループのソフトバンクモバイル(7月1日から「ソフトバンク」に名称変更)と、電力の小売で提携する方針を明らかにしている(関連記事)。さらにNTTドコモが2015年12月から提供するポイントサービスの「dポイント」はPontaとポイントの交換が可能であり、今後、東京電力のポイントプログラムにNTTドコモが加わる可能性もある(関連記事)。今後も電力の小売とポイントサービスの連携による顧客獲得に向けた各社の協業が進みそうだ。
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