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合成天然ゴムをバイオマスから作る新技術、2020年代前半に実用化へ:自然エネルギー
化学構造が天然ゴムに似ているため「合成天然ゴム」とも呼ばれるイソプレンゴムは、自動車のタイヤなどに利用されている。横浜ゴム、日本ゼオン、理化学研究所はこのほど、イソプレンゴムの原料となるイソプレンを、バイオマスから合成することに成功した。
横浜ゴム、日本ゼオン、理化学研究所はこのほど、自動車などのタイヤなどに利用する合成ゴムの原料となるイソプレンを、バイオマスから合成することに成功したと発表した。2020年代前半を目標に実用化を目指す方針だ。
現在、イソプレンはナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産している。しかし今回3者が開発した新技術が実用化に至れば、石油への依存度が低減でき、地球温暖化の原因の1つであるCO2の削減が期待できる(図2)。
横浜ゴム、日本ゼオン、理化学研究所の3社は2013年からバイオマスから合成ゴムを生成するための研究開発を進めてきた。今回発表した技術の開発には、理化学研究所の環境資源科学研究センター(CSRS)が保有する細胞設計技術、植物科学技術を活用した。
その結果、コンピュータで微生物の代謝経路をゲノムスケールで設計する「in silico代謝設計技術」を用いて人工代謝経路を設計したことで、イソプレンの新規合成法を発見するに至ったという。
ポリイソプレンゴムは化学構造が天然ゴムに類似することから「合成天然ゴム」とも呼ばれている。バイオマスを利用してイソプレンが生成できるようになれば、化石燃料使用の削減だけでなく、気象条件によって生産高が変動する天然ゴムの補填原料としても期待できる。
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