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新電力40社が小売電気事業者の審査を通過、料金を決めて営業開始へ:動き出す電力システム改革(43)(2/2 ページ)
2016年4月以降に電力を販売するためには「小売電気事業者」の登録が必要で、申請後に経済産業省と電力取引監視等委員会による審査を通過しなくてはならない。第1回目の審査で40社が適格と認められて、経済産業省が事前登録を完了した。各社は料金プランなどを決めて営業活動を開始する。
新電力の届出制よりも条件が厳しい
小売電気事業者の登録申請は8月3日に始まった。申請にあたっては「小売電気事業登録申請書」を経済産業省に提出する必要がある。申請書には販売対象になる最大需要電力と供給能力の見込みを記載するほか、自社の電源については発電所の所在地や種類(石炭火力や太陽光など)の情報も加えなくてはならない(図3)。記載した内容に重要な変更が生じた場合には即座に経済産業省に報告する義務がある。
これに対して現在の新電力は「特定規模電気事業者」として経済産業大臣あてに届出書を提出するだけで手続きが済む。届出書には事業開始予定日のほかに、供給力として使用する発電機の設置場所と出力を記載するだけである(図4)。経済産業省の審査はなく、届出後も需給状況や設備に関する定期報告を義務づけている程度だ。
新電力には9月18日の時点で762社が届け出ている。ただし資源エネルギー庁の「電力調査統計」によると、7月に電力を販売した実績のある事業者は90社にとどまっている。2016年4月から登録制に移行する小売電気事業者の数は現在の新電力よりも大幅に減る見通しだが、登録した事業者は確実に電力を販売することになる。
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