パネル掃除や断線検査をロボットで、太陽光設備の運用保守を低コストに:太陽光(2/2 ページ)
太陽光発電設備のメンテナンス手法の1つとして、ロボットの活用に注目が集まっている。人手によるメンテナンスコストを削減できるなどのメリットがあるからだ。先日開催された「2015 国際ロボット展」では、複数の太陽光パネルのメンテナンスロボットが披露された。
パネル掃除ロボット「REOSOLA」
シンフォニアテクノロジーは太陽光パネルの清掃ロボット「REOSOLA」(リソラ)を出展し、実演を交えて来場者に訴求した。リソラは太陽光パネルの清掃を行う自律走行型のロボット。埃や水垢、花粉などの太陽光パネルの汚れを清掃することで、発電効率の改善に貢献する(図4)。
コンパクト設計のスタンドアロンタイプなので持ち運びが可能で、設置工事も不要だ。また、洗浄水タンクを搭載していて、水と回転ブラシ、ワイパーを使って1時間当たり100平方メートルを清掃できる。
ゴムクローラを使って走行し、モジュール設置確度は5〜20度、段差は±10ミリメートルまで対応できる。カメラおよび各種センサーで位置検出および補正を行うため、軌道なしでも確実に自律走行できるという。バッテリーは着脱可能な交換式となっている。1回の充電で5時間駆動できる。
さらに無線機能を搭載していて、Android端末からバッテリー残量や洗浄水切れなどの装置状況をモニタリングできる。バッテリー残量が少なくなったり、洗浄水が切れたりすると自動的にパネル最下点に移動して待機する。交換後には再び元の位置に戻って清掃を再開する。
シンフォニアテクノロジーはこれらの機能に加え、フィールドテストを積み重ね、リソラのさらなる性能強化を図っている。補用品、消耗品の交換を容易にし、洗浄水の噴射機構を見直した他、水噴射量の設定により水切れ補充の間隔を45分から最大90分に改良した。パネルエリアの限定清掃も可能にするなど、大幅に機能をグレードアップした。価格は148万円で、2014年の販売開始後、太陽光パネルの清掃業者などに1年間で約40台を販売した実績があるという。
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