風力・水力・太陽光で充電可能な「コンテナ型蓄電池」、NTNが新開発:蓄電・発電機器
NTNは、貨物輸送用コンテナに風力・水力・太陽光の3種類の自然エネルギーによる発電装置と蓄電池を格納し、発電・電力供給が行えるコンテナ収納移動型の独立電源を開発。災害時に、電力供給が困難となった被災地などに複数の手段(トラック・貨物船・ヘリコプターなど)で移動し、迅速に少人数で設置できる。
NTNは、貨物輸送用コンテナに風力・水力・太陽光の3種類の自然エネルギーによる発電装置と蓄電池を格納し、短時間で発電・電力供給が行えるコンテナ収納移動型の独立電源「N3エヌキューブ」を開発した。災害時に、電力供給が困難となった被災地などに複数の手段(トラック・貨物船・ヘリコプターなど)で移動し、迅速に少人数で設置できる。
近年、大規模災害が頻発し、非常時における電力確保の体制構築が社会課題のひとつとなっている。また、防災や減災に対する意識が高まるなか、各都道府県においては防災備蓄倉庫の整備が進められているが、人口1万人当たりでわずか3台という水準に留まっているのが現状という。
今回開発した「N3エヌキューブ」は、同社がこれまで開発してきたハイブリッド街路灯(風力と太陽光で発電)、マイクロ水車など自然エネルギー商品を組み合わせただけでなく、新たに「機動性」を加え、停電した被災地などに容易に移動・設置、電力供給を行うことを可能にした。発電能力は風車0.5kW(キロワット)、水車1.0kW、太陽光0.9kW、蓄電池の容量は8.6kWh(キロワット時)で、日常から各地域に設置しておくことで、被災時にいち早く発電し、USBポートを利用したスマートフォンなどの充電や小型家電製品(AC100V対応)の利用ができる。また、非常用の発電機の多くは、カセットボンベやガソリンなどを用いるため、長時間使用するためには燃料補給が必要となるが、同製品は自然エネルギーを活用する独立電源のため、燃料補給が不要となる。
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