建設現場のCO2排出量を高精度に把握、大成建設がAIを活用した新システム:省エネ機器
大成建設は、AIを活用して建設現場で発生するCO2排出量を効率的に計測・集計するシステムの開発に着手。より実態に即したCO2排出量の把握を目指すという。
大成建設は2021年9月9日、AIを活用して建設現場で発生するCO2排出量を効率的に計測・集計するシステムの開発に着手したと発表した。
このシステムでは、建設現場に設置したカメラとAIの画像認識機能を用いて建設機械の稼働状況から排出量を自動算出する。また、電気使用量や電子マニフェストなどの外部の取引会社から提供されるデータである「外部システム情報」および、燃料購入金額など支出・取引データを社内システムで管理する「社内システム情報」も入手できる。これらの複数の情報を計測・集計することで、建設現場で発生するCO2排出量を効率的に把握できるとしている。
同社は、長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」を掲げ、2050年までに事業活動におけるCO2排出量実質0を目指す。2018年より全社員が参画する環境負荷低減活動「TAISEI Sustainable Action」(TSA)の展開や、その活動状況を定量評価する「TSAポイントシステム」の運用を開始している。
しかし、上記目標を達成するためには同社の事業活動において、どの程度のCO2が排出されているのかを把握することが大切である。特に建設会社において、CO2排出量の大部分を占める建設現場では、建設機械などから発生する排出量を効率的に把握することが重要な課題となっており、より実態に合わせた計測・集計システムの構築が望まれていた。そこで同社は、AIを活用して建設現場で発生するCO2排出量を計測・集計するシステムの開発に着手した。
今後、大成建設は2023年4月を目標に全ての建設現場に対し本システムの導入を進め、同社の環境目標である「持続可能な環境配慮型社会の実現」と、カーボンニュートラルの実現を目指していく。
関連記事
- 熱水を使わない革新的な「CO2地熱発電」、大成建設らが技術開発へ
大成建設が、CO2を活用する熱水資源に頼らない新たな地熱発電技術の開発に着手すると発表。熱水のかわりにCO2を圧入して熱回収を行う新技術で、地熱発電の普及課題を解決できる可能性があるという。 - 再エネ×蓄電池で建設現場のCO2削減、戸田建設らが実証実験
佐藤工業、戸田建設、村田製作所が建設現場における再エネ活用と移設容易な創蓄システムの実証研究を実施。再エネと蓄電池で建設現場のCO2排出量削減を実現するビジネスモデルの構築を目指す。 - 廃棄建材でバイオマス発電、電力は建設現場に供給――長谷工が検証導入スタート
長谷工コーポレーションは2020年11月2日、建設現場で排出された木くずでバイオマス発電を行い、その電力を建設現場で活用する取り組みを同年11月から検証的に導入すると発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.