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導水管に水車を設置して480世帯分を発電、既存の水道施設を生かす水力発電所:自然エネルギー
三峰川電力が山形市で建設を進めていた「宝沢ほたる発電所」が完成し。水道施設を流れる流水と設備間の落差を活用して発電を行う「水道施設活用型水力発電設備」で、年間480世帯分の発電量を見込んでいる。
三峰川電力は2021年12月16日、山形市で建設を進めていた「宝沢ほたる発電所」が完成し、12月から営業運転を開始したと発表した。同日に竣工式を開催した。
この事業は、山形市上下水道部が管理する導水管に水車発電機を設置し、水道施設を流れる流水と設備間の落差を活用して発電を行う「水道施設活用型水力発電設備」。出力は170kWで、年間480世帯分に相当する発電量を見込んでいる。発電した電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を活用して売電する。
三峰川電力は、1962年から水力発電事業の運営を行い、本事業は長野県(伊那市・4カ所、茅野市・4カ所、駒ヶ根市・1カ所)、山梨県(北杜市・3カ所)、福島県(下郷町・2カ所、猪苗代町・1カ所)、広島県(広島市・2カ所、北広島町・1カ所)、宮城県(白石市・1カ所)、静岡県(富士宮市・2カ所)に続く国内22カ所目の発電所になる。
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