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太陽光発電は426万kWの未稼働案件が失効に、国内の再エネ導入の最新状況:自然エネルギー(5/5 ページ)
資源エネルギー庁の「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」第52回会合では、再エネ導入進捗や今後の施策など、国内の再エネに関する最新情報が公開された。その概要を紹介する。
バイオマス発電の現状と導入拡大に向けた論点
バイオマス発電の2022年度末時点の導入量は6.9GWであり、FIT/FIP認定済案件が稼働に漕ぎ着けば、2030年ミックスは達成可能な見込みである。ただしバイオマス発電では、単に発電設備容量が存在するだけでなく、燃料を安定的に調達し、持続的にバイオマス発電事業を継続することが重要である。
またバイオマス燃料については、「持続可能性基準」や「食料競合」、「ライフサイクルGHG」が重要な論点であり、まずは輸入木質バイオマス等を対象に、ライフサイクルGHG基準の適用を開始したところである。
FIP制度の導入状況
2022年4月からFIP制度が開始されたが、2023年6月1日時点のFIP導入量は、全電源の合計で、134件・約984MWとなっている。表7の「移行認定」とは、元々FIT認定を受けていた電源が、自主的にFIP制度に移行したものを指す。
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