“通信”で変わる太陽光発電ビジネス 「LTEゲートウェイ」の活用に注目すべき理由とは?:次世代PVビジネスの必需品!
発電量管理やリモート制御などを目的に、ITシステムの導入が当たり前になりつつある太陽光発電事業。こうしたシステム導入に欠かせないのが安定的な「通信環境」の構築だ。しかし、通信環境が悪い場所に立地する太陽光発電所において、安定した通信環境の構築は一つの課題となっている。そこで注目したいのがファーウェイの「LTEゲートウェイ」の活用だ。
AIやIoTの活用によるスマート化を背景に、太陽光発電所における安定的な通信環境を構築する重要性が、昨今急速に高まっている。発電量のモニタリングや各種機器のリモート制御など、従来利用されてきた運用保守(O&M)に関するシステムはもちろんのこと、最近では併設化が進む蓄電システムのマネジメントや、ケーブル盗難対策用のセキュリティシステムを後から導入するケースも増えてきた。
こうしたさまざまなシステムを活用するためには、大前提として「安定的な通信環境」を構築することが必須の条件といえる。不安定な通信環境により、高速かつ的確にデータや制御指示の送受信ができなければ、発電事業の収益性を損なう可能性や、セキュリティ面でのリスクにもつながるからだ。
しかし、太陽光発電所は山中などに立地する場合が多く、通信環境の構築を目的に有線ケーブルを敷設するというのは、立地制約やコストの面で断念せざるを得ないというケースも多い。
こうした太陽光発電所における通信環境の課題を解決するソリューションとして注目を集めているのが、ファーウェイの新世代LTEゲートウェイ「AR502H」だ。従来のゲートウェイやルーターでは運用が難しかった多様なシーンに対応し、太陽光発電所が立地する過酷な環境下においても、安定した通信環境の構築が可能になるという。
多様な接続要件に対応し、過酷な環境下での利用にも最適
そもそもゲートウェイとは、異なる通信規格によって送られたデータを集め、インターネット上のサーバに送信する役割を担っている。太陽光発電所であれば、パワーコンディショナーや蓄電システム、セキュリティカメラなど、さまざまな種類のデータが存在する。発電所内のローカルネットワークとゲートウェイがあれば、これらのデータを集積し、外部に送信することが可能になる。
また、LTEゲートウェイとは、データの送受信に無線規格の一つであるLTEを利用するゲートウェイという意味だ。携帯電話などのモバイル機器向けの通信規格であるLTEは、家庭を中心に広く利用されているWi-Fiと比較し、電波の範囲が広く、太陽光発電所など屋外施設での利用にも適しているという特徴がある。そのため、太陽光発電のみならず、多くの産業施設の通信環境の構築において、LTEゲートウェイの活用が注目されている。
ファーウェイが2024年に発売したAR502Hは、同社の最新モデルのLTEゲートウェイだ。まず大きな特徴として、幅広い接続に対応している点が挙げられる。固定イーサネットポートは3つのGE電気ポート、2つのGEコンボポートを備え、固定シリアルインタフェースとして2つのRS485とRS232(両規格はソフトウェアで切り替えが可能)、アラームポートはDI(Digital Input)とDO(Digital Output)を1つずつ搭載している。
その他のスペック面では、DDRは第4世代のDDR4(2GB)を、プロセッサはARM クアッドコアA53(1GHz)、2GBのSLC NANDフラッシュメモリを搭載し、SSDは最大で256GBまで拡張可能だ。
産業用に特化したモデルとして、厳しい環境下で運用が可能なのも大きな強みとなっている。保護等級はIP40で、強い磁気干渉にも対応。動作可能な温度範囲はマイナス40℃から70℃までと、日本各地の過酷な環境下での運用にも十分に耐えられるスペックとなっている。電源についても万が一を想定し、メイン電源と追加サブ電源を組み合わせた運用が可能な「デュアル電源方式」を採用。電圧動作範囲もDC9.6〜60Vと広く、入力電圧の変化が発生しても、安定的に運用できる安心な設計だ。
デュアルSIMに対応し、安定的な通信環境を構築可能に
外部との通信については、4G/LTE(FDD LTE、対応バンド:1/2/3/5/7/8/20)と3G(DC-HSPA+/HSPA+/HSPA/WCDMA、対応バンド:1/2/5/8)に対応している。昨今さまざまな通信キャリアが提供しているSIMカードを差し込むことで、LTE通信を利用したデータのやり取りが可能になる。
AR502Hでは、いわゆる“デュアルSIM”での運用が可能な仕様となっているのが大きな特徴だ。これは通信を行うためのSIMカードを2枚挿入でき、異なる通信キャリアを同時に利用可能という意味を持つ。一方の通信回線が不安定になった場合、自動的にもう片方の“バックアップ”として契約したSIMカードでの通信に切り替える機能を備えており、常に安定的な通信環境を構築できる設計となっている。また、アンテナポートも2つ備えており、こちらも通信環境の安定化に大きく寄与する。AR502Hには、随所に障害回避と安定運用に向けた配慮が施されているのだ。
太陽光発電所において、LTEを利用した通信環境を構築するメリットは大きい。昨今、全国各地に基地局の設置が広がったことにより、山間部などのエリアにおいても、安定的な通信が可能となっている。光ファイバーなどの固定回線を敷設する場合、高額な初期投資が必要だが、LTEゲートウェイとSIMカードを活用すれば、こうしたインフラ整備のコストと時間を削減できる。
昨今多くの企業がSIMカードによるLTE通信サービスの提供を始めており、従来と比較して通信費用が低下傾向にあるというのも追い風だ。産業用途を想定した料金プランも登場しており、発電所の規模や設置場所にかかわらず、安く迅速に通信環境を構築できる状況が整いつつある。
もちろんAR502Hは、有線での接続にも対応している。LTEでの通信が難しい環境や、既に有線通信が可能という場合においても問題なく利用可能だ。こうした対応力の広さも、AR502Hの魅力の一つとなっている。有線と無線の使い分けにより、低圧から特高まで、幅広い規模の太陽光発電所に導入可能だ。
またAR502Hは、TCP/IPネットワークで利用できる通信プロトコルであるMQTT(Message Queueing Telemetry Transport )や、CoAP(Constrained Application Protocol)といった、いわゆるIoT関連の通信プロトコルにも対応している。さまざまなデバイスから効率的にデータを収集し、得られた情報をクラウド上での各種アプリケーションを通じて活用するといったように、太陽光発電事業においてもIoTの活用が当たり前となりつつある。昨今のこうした先端的なトレンドも考慮された製品だ。
「SmartLogger」との連携により、太陽光のトータルソリューションを提供
前述の通りAR502Hは、豊富なポート設計によりさまざまなデバイスとの接続が可能だが、太陽光発電所における具体的なシステム構成としては、パワーコンディショナーや蓄電システムの情報を集約するデータ収集装置「Logger(ロガー)」とつながれるケースが多いだろう。まずは、ロガーにLANケーブルなどで発電所内の設備データを集め、LTEゲートウェイを介してクラウドや外部のサーバなどに送るという流れだ。
なお、ロガーはさまざまな企業の製品に対応可能だが、日本でも採用事例が多いファーウェイ製の「SmartLogger(スマートロガー)」と組み合わせれば、導入はよりスムーズなものとなる。ファーウェイ・ジャパン 法人ビジネス事業本部 ネットワークソリューション&セールス部の譚皓文氏は、次のように述べている。
「これまで太陽光発電所を運営する皆さまから、『最新のシステムを導入したが、ネットワーク環境をどう構築したら良いか分からない』『家庭用のルーターを使っていたが、最新のシステムに対応できない』といった声が多く寄せられていました。LTEゲートウェイであるAR502Hは、こうした事業者の方の声に応えるべく投入する新製品です。これまでファーウェイが提供してきたパワーコンディショナーや監視ソリューション、スマートロガーなどの製品群と、安定的な通信環境を構築できるLTEゲートウェイを組み合わせることで、より高度かつ効率的に運用可能な発電所を実現できると考えています。ファーウェイ・ジャパンではご相談から、導入、メンテナンス、アフターサポートまで、お客さまの発電所のパフォーマンス向上に向けて、幅広い製品ラインアップと一気通貫のサービス体制でお応えしていきます」(譚皓文氏)
LTEゲートウェイの市場展開を指揮するファーウェイ・ジャパン ICTマーケティング&ソリューションセールス部 ネットワークソリューション本部 部長の張童軍氏(右)と、法人ビジネス事業本部 ネットワークソリューシヨン&セールス部 プロダクトマネージャーの譚皓文氏(左)
費用面においても、他社のLTEゲートウェイを導入するより、コストを抑えることができるという。既に国内外の太陽光発電所で多数導入されており、「発電量データ取得精度の向上」「異常検知の時間短縮」「保守管理コストの低減」などの効果が確認されているそうだ。
「通信」の重要性が高まる太陽光ビジネスの一手に
FIT制度の開始以降、日本でも急速に導入が広がった太陽光発電。当初は発電所単体での効率運用に注目が集まったが、FIP制度の導入や、蓄電池の併設、電力市場と連動した売電モデルなどの新しいトレンドも生まれており、事業形態も変化しつつある。
こうした新しい太陽光発電ビジネスにおいて共通するのが、通信というインフラ環境の重要性だ。AR502Hは通信機能のみならず、パケットフィルタ、ディスク暗号化、ファイアウォール機能の搭載など、“ビジネスを支える”という観点で極めて重要な、セキュリティ機能についても十全に配慮した設計となっている。
ファーウェイのLTEゲートウェイAR502Hは、ますます高度化する太陽光発電所の運用を効率化し、信頼性の向上とトータルなコスト削減を実現する有力な選択肢だ。太陽光発電所の運用管理の高度化や、新たなビジネス展開を模索する事業者は、ぜひ一度検討してみてはいかがだろうか。
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提供:華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2024年12月23日


