地域間連系線の細分化で運用容量を拡大 供給信頼度評価を改善へ:第105回「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」(3/4 ページ)
火力発電の休廃止などの影響により、国内の電力需給が変化している昨今。直近数年の供給信頼度の評価結果が目標値を超過するなど、その影響が出はじめている。そこで電力広域機関では、こうした供給信頼度評価の在り方や、その評価に影響する連系線運用容量の取り扱いの見直しについて検討を行った。
容量市場オークションにおける30分細分化の適用
容量市場には、実需給の4年前に開催されるメインオークションと、実需給の1年前に開催される追加オークションがあり、これらの約定処理でのEUE評価上の扱いを整理する必要がある。
追加オークションは、供給計画の第2年度に相当する短期断面で開催するものであるため、約定処理におけるEUE評価で30分細分化した運用容量を適用することは合理的である。他方、メインオークションは第5年度に相当するため、これまでの整理に基づくならば、30分細分化の適用対象外となる。
この場合、先に開催されるメインオークション時点では通常、連系線運用容量は小さめとなるため、エリアA-B間で市場分断が発生すると、エリアAの安価な電源は非落札(未約定)となり、エリアBで高価な電源が落札(約定)するといった事象が発生する。その後、追加オークションでは運用容量を30分細分化し拡大することにより、エリアAの電源も落札可能となるが、すでに約定済みのエリアBの電源と「差し替える」ことは出来ない。つまり、運用容量の変化により市場分断の発生状況も変化するため、容量市場の合理的な約定が損なわれることとなる。
よって、この課題に対処するため、容量市場メインオークションでは例外的な取り扱いとして、約定処理におけるEUE評価で30分細分化を適用することとした。
実需給4年前のメインオークションでは、30分細分化の運用容量の蓋然性は相対的に劣後するため、その後の状況変化次第では、供給力が不足することも懸念される。ただし、容量市場では実需給1年前に追加オークションを開催し、その時点の最新状況に基づく供給力を調達する機会がもともと用意されているため、供給力不足というリスクは十分に抑制可能と考えられる。
また、容量停止計画調整(第3年度に相当)はメインオークションと同じ諸元を用いることや、容量市場におけるEUE評価の連続性という観点を踏まえ、容量停止計画調整業務についても30分細分化を適用することとする。
負荷制限の織り込みによる運用容量の拡大
「将来の運用容量等の在り方に関する作業会」の第4回会合では、周波数維持が制約となっている「中部関西間連系線(中部向き)」と「中国九州間連系線(九州向き)」について、新たな負荷制限の織り込みにより、運用容量を拡大することが報告された(別記事『地域間連系線の運用容量を拡大 「中部関西間」と「中国九州間」の2カ所で』を参照)。
- 中部関西間連系線(中部向き):平日の夜間帯に+20〜50万kWほど拡大可能(適用済み)
- 中国九州間連系線(九州向き):点灯帯を中心に+10〜60万kWほど拡大可能な見込み(2026年度頃を目指す)
この負荷制限の織り込みによる運用容量の拡大は、運用容量検討会が公表する値に反映し、長期運用容量(第10年度)まで適用されるものであるため、供給信頼度評価(EUEおよび予備率の評価を行う業務)においても、全ての年度で適用することとした。
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