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2025年度は過去最高の3.98円/kWh 再エネ賦課金はどのように算定されているのか?(2/4 ページ)

2025年度の再エネ賦課金単価がFIT制度開始以降で最高値となる3.98円/kWhとなった。本稿ではあらためて再エネ賦課金単価の仕組みについて解説する。

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再エネ「買取費用等」の見込み額の算定

 現在、再エネ特措法ではFITとFIPの2つが運用されているため、賦課金単価算定式における「買取費用等」には、FIT買取費用のほかFIPプレミアムが含まれる。

 FIT買取費用(の見込み額。以降省略)は、FIT設備導入量に設備利用率を乗じて得た買取電力量(いずれも見込み)に、経済産業大臣が定めた発電設備の区分、設置の形態及び規模別の買取単価(円/kWh)を乗じて算定する。

 FIP設備の場合は、FIP基準価格を用いるという違いはあるが、考え方は同じである。

 FIT/FIPいずれも、再エネ設備の導入量については、稼働済設備はFIT制度の「費用負担調整機関」(現在は電力広域的運営推進機関)が保有するデータ及びFIT設備認定データを用いて集計し、未稼働設備については導入量・導入時期に関するアンケート調査結果を用いて集計・推計している。推計に際しては、FIT買取期間が終了する案件(卒FIT案件)も考慮している。


表2.再エネ発電設備稼働状況ごとの集計・推計方法 出典:三菱総研(経産省委託)

 再エネ発電設備の2025度末の累積導入量(MW)見通しはこのような方法で推計しているが、算定に用いた具体的な設備容量想定値は現時点公開されていない。

 また「買取費用等」には、再エネ予測誤差に対応するための調整力確保費用が含まれる。FIT電源は、「FITインバランス特例制度①及び③」を利用可能であり、これに起因する再エネ予測誤差に対応するために一般送配電事業者は需給調整市場で「三次調整力②」を調達している。この費用はFIT買取に起因するものであるため、一般送配電事業者にはFIT交付金が交付されている。2024年度の三次調整力②の調達費用は約503億円(調整前)という規模感である。

 FIP電源の太陽光・風力発電については、バランシングコストが交付されるため、この金額も「買取費用等」に含まれる。

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