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2030年目標へ残された大きなギャップ――環境・国交・農水省が目指す再エネ普及策の現状第73回「再エネ大量導入・次世代電力NW小委員会」(3/4 ページ)

「再エネ大量導入・次世代電力NW小委員会」の第73回会合で、環境省・国土交通省・農林水産省による2040年度に向けた再エネ普及施策の動向が報告された。

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民間企業による自家消費促進施策の進捗状況

 自家消費型太陽光の導入状況は正確な把握が困難であるが、2030年10GWの目標に対して導入量は1.7〜3.2GWと推計している。


図5.民間企業による自家消費促進施策の進捗状況 出典:再エネ大量導入小委

 環境省では、「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」等により、FIT/FIP制度によらない太陽光発電の導入及び自家消費を促進しており、補助事業により正確に導入量が把握できるものは0.65GWである。(図5では0.7GWと記載)

 他方、補助事業によらない民間企業による自家消費型太陽光の導入状況については、公的な政府統計が存在せず、正確な把握が困難である。そこで環境省では「電力調査統計」の電気事業者の導入実績データに記載のある事業者(増加分)から、「FIT認定リスト」の事業者を除くことで、自家消費型太陽光の導入量を1.73GW程度と推計している。また、テキストマイニングの手法を用いた場合、自家消費型太陽光発電の累積導入量は、約3.2GWと推計される。


図6.自家消費型太陽光発電導入量の推計 出典:再エネ大量導入小委

 初期費用が不要なPPAモデルは、自家消費型太陽光発電導入拡大の重要な方策であるが、長期の契約を前提とするPPAは、中小企業にとって与信が課題となっていた。

 近年、製品ライフサイクル(バリューチェーン)全体での脱炭素化が求められており、最終製品を製造する事業者(大企業)にとって、上流の部品メーカー(中小企業)の排出削減を支援することは、自社のScope3排出量削減に直結するものである。

 このため今後GXリーグでは、サプライヤーに対する排出削減支援を評価するほか、環境省ではグリーン製品の需要創出に向けて、バリューチェーン上の大企業と中小企業が連携した再エネ導入について検討を進めている。


図7.GXリーグにおけるサプライチェーン全体での排出削減 出典:GX実現に向けたカーボンプライシング専門WG

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