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ハイブリッド給湯機・家庭用蓄電池の「DR ready要件」の見通し:第6回「DR ready勉強会」(5/5 ページ)
家庭部門におけるデマンドレスポンス(DR)の活用促進に向けて、現在さまざまな家電機器の「DR ready要件」の策定が進んでいる。資源エネルギー庁の第6回「DR ready勉強会」では、ハイブリッド給湯機や家庭用蓄電池の要件について検討が行われた。
DR制御による家庭用蓄電池の劣化への影響
家庭用蓄電池システム(6〜10kWh)において、蓄電池の寿命はその充放電サイクル回数により定義され、一般的な機器では1万回程度である。
図10上段のように、蓄電池容量の0〜100%まで充放電した場合を1サイクルとカウントし、通常利用で1日2回充放電(2サイクル)すると、これは約15年相当の動作回数になる(1日2回×365日×15年=10,950回)。
ここで、経済DRや容量市場への活用を目的として1日にDRを1回実施する場合、図10下段のように昼間の充電が途中で終わるため、下げDRで0.5サイクル、夕方の放電で0.5サイクル、合計で約2サイクルとなる。このような利用方法の場合、DRを追加しても、通常利用と比べてサイクル数に大きな差が生じず、蓄電池の劣化にも大きな違いは生じないと考えられる。
ハイブリッド給湯器や家庭用蓄電池等のDR活用を普及させていくには、DR ready機器の開発・市場投入だけでなく、DRを実施しやすい制度環境を整備する必要があるため、機器メーカーや電力会社、DRサービサー、政府等の幅広い協調が期待される。
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