CCS事業法に基づくCO2貯留事業の制度検討 閉鎖後のJOGMEC移管は10年以降に:第2回「CCS事業制度検討WG」(2/4 ページ)
CO2貯留事業の許可制度等を定める法案として2024年5月に成立した「二酸化炭素の貯留事業に関する法律」。「CCS事業制度検討WG」の第2回会合では、同法に基づく貯留事業・導管輸送事業に係る規制の詳細について検討が行われた。
CO2貯留事業の許可申請プロセスの概要
CCS事業法に基づきCO2貯留事業を行おうとする者は、経済産業大臣への許可申請が必要となる。大臣は、許可基準の一つとして、申請に係る貯留区域内の遮蔽層・貯留層の地質情報に照らし、安定的にCO2が貯留されるかを審査する。
CO2地中貯留の国際規格であるISO 27914:2017では、適切な貯留サイトの選定と貯留計画の策定に向けた手順(表1)を示している。
よってCCS事業法ではこれを参考として、適切な貯留区域が決定され、貯留容量、圧入性、封じ込め能力、リスクマネジメントの観点から、安定的にCO2が貯留されることを、許可基準の一つとして求めることとする。
「貯留事業実施計画」の認可申請
CO2貯留の許可を受けた事業者は、モニタリング計画、漏えい防止措置、保安措置等を記載した「貯留事業実施計画」を作成する必要がある。事業者は、主務大臣(陸域では経産大臣、海域では経産大臣・環境大臣)の認可を受けた同計画に従い、貯留事業を行わなければならない。
なおCCS事業法において、CO2の「漏えい」とは貯留したCO2が貯留区域から漏れ出ること、「漏出」とは貯留したCO2が地中から海洋や大気中へ漏れ出ること、と定義されている。
また貯留事業実施計画には、CO2の安定貯蔵を確保するための方法を記載することが求められる。
すでに海洋汚染防止法(海防法)では、海洋環境の保全の観点から、海底下へのCO2廃棄に係る詳細な計画の提出を求めているが、CCS事業法ではこれに加え、貯留区域からのCO2漏えいを発生させないという事業の健全性の観点から、地質評価及び操業計画に関する事項の記載を求めることとする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


