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広域予備率の現状と対策──小売事業者に電力調達の「過不足率」を通知へ:第113回「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」(4/4 ページ)
第113回「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」で2025年度の需給運用状況が公表された。また、広域予備率の安定化に向け、供給力が不足した際に小売事業者に市場からの電力調達を促す「過不足率」を通知する方針が示された。
「過不足率」のインバランス単価への反映
新たに提案された「過不足率」は、現在の広域予備率と同様に、各小売事業者が需要調達計画の作成や取引の参考とするシグナルであり、各事業者が必ず過不足率に応じて取引することを求めるものではない。
過不足率は、各社に「気づき」を与える点で有益と考えられるが、これをシグナルとして示すだけではモラルハザードを防ぐ効果は薄いと考えられる。よって、小売事業者に適切な需要想定と供給力調達を促すための策として、過不足率をインバランス単価の算定に反映することも案として示された。
今後の詳細制度設計次第であるが、一送の想定需要自体は追加供給力対策が実施されたとしても変化しないため、他者の行動(努力)によりインバランス単価が下落する(フリーライドする)機会は減少すると期待される。
ただし、過不足率をシグナルとし、さらにインバランス料金に反映するためには、広域機関や一送の中給システムの改修が必要となる。現在、一送では次期中給システムの開発を進めており、2030年度以降の導入となる可能性もある。
広域機関では現行中給システムでの導入案も含め、過不足率の詳細な算出方法やインバランス料金との関係を整理し、実際の導入時期を検討する予定としている。
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