系統用蓄電池の接続手続きの規律を強化 順潮流側ノンファーム型接続に「計画値制御」も導入へ:第7回「次世代電力系統ワーキンググループ」(3/4 ページ)
昨今接続数が増加し「空押さえ」や手続きの迅速化が課題となっている系統用蓄電池。資源エネルギー庁の「次世代電力系統ワーキンググループ(WG)」の第7回会合では、蓄電池の系統アクセス手続きの規律強化策のほか、順潮流側ノンファーム型接続の方向性について検討が行われた。
系統用蓄電池における順潮流側(充電)接続ルールの見直し
系統用蓄電池の接続申込が急増する中、順潮流側(充電)に関する新たな系統接続ルールの整備が必要とされているが、詳細な制度設計やシステム面での対応には、一定の年数を要する。
このため、早期連系を実現する暫定措置して、特定の時間帯等において充電を制限することを前提として、当該系統を増強することなく系統接続を認める運用「充電制限契約」を2025年4月に導入した。本対策は、一般送配電事業者等のシステム改修を行わず速やかに開始できるという大きなメリットがある反面、あらかじめ一定の余裕をもって設定した充電制限の量や時間帯は固定的であるため、制御量が大きいというデメリットがある。
これが一因となり、本制度を適用する系統用蓄電池の契約申込(2025年4月〜2026年1月)は、同期間(※)の契約申込全体の9%程度(件数ベース)、7%程度(容量ベース)に留まっている(※ただし、一部エリアでは同期間の情報公開が見当たらないため、概算値)。
このため資源エネルギー庁や電力広域的運営推進機関では、逆潮流側と同様に、系統混雑時の制御を前提として、あらかじめ系統容量を確保せずに速やかな系統接続を可能とする、「ノンファーム型接続」の導入について検討を行ってきた。
「計画値制御」と「リアルタイム制御」の比較
広域機関の広域系統整備委員会では、順潮流側の混雑制御手法として、「計画値制御」や「リアルタイム制御」、またそれらの組合せ案について、検討を行った。なお結論を先取りすれば、「計画値制御」手法を採用する方向性が示された。
なお、「計画値制御」と「リアルタイム制御」はその判断・実施タイミングの違いから、メリット/デメリットの多くは互いに裏表の関係にある。
「計画値制御」のメリット/デメリット
「計画値制御」とは、あらかじめバランシンググループ(BG:この場合、系統用蓄電池事業者)の発電計画/需要計画作成の断面で想定潮流を計算し、潮流計算値が系統設備の運用容量を超過した際に、蓄電池の充電出力予定値を抑制する制御手法である。
現行の発電側のローカル混雑管理では、一つの計画断面(30分値)に対する混雑計算の算出タイミングは前日、実需給(1+α)時間前、ゲートクローズ(GC)後の3回である。
計画値制御は現行の充電制限契約より制御量は小さいものの、潮流の想定誤差を伴うため、実潮流に基づく「リアルタイム制御」に比べると出力制御量が大きい、というデメリットがある。
計画値制御導入に要する概算工期は5〜7年、概算費用は一般送配電事業者9社合計で300億円程度と見込まれている。これには蓄電池事業者側での費用は含まれていない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

