系統用蓄電池の接続手続きの規律を強化 順潮流側ノンファーム型接続に「計画値制御」も導入へ:第7回「次世代電力系統ワーキンググループ」(4/4 ページ)
昨今接続数が増加し「空押さえ」や手続きの迅速化が課題となっている系統用蓄電池。資源エネルギー庁の「次世代電力系統ワーキンググループ(WG)」の第7回会合では、蓄電池の系統アクセス手続きの規律強化策のほか、順潮流側ノンファーム型接続の方向性について検討が行われた。
「リアルタイム制御」のメリット/デメリット
他のエリアよりも早く系統用蓄電池の接続申込が急増した北海道エリアでは、独自の「リアルタイム制御」方式による早期接続を試行的に導入しており、2026年度から実運用が開始される予定である。
この手法では、変電所に設置された親局が自端で充電制御するため、系統全体の情報に基づく複雑な計算をせずともリアルタイムに蓄電池を制御することが可能である。リアルタイムでの制御であるため、制御量は必要最小限となることがメリットである。
他方、リアルタイムで制御を受ける場合、BGは計画どおりの充電ができず「余剰インバランス」を発生させてしまう。さらに、その後のコマで発電計画の変更や代替電源の調達が間に合わない場合には、計画どおりの放電ができず「不足インバランス」が発生する。このように、蓄電池事業者のインバランス発生リスクが大きいことがこの手法のデメリットである。
また、リアルタイム制御により、計画していた充電が出来ないことは、当該BGだけの問題ではなく、系統全体として「下げ調整力」不足を招き、周波数に影響が出るおそれもある。これを予防するためには、あらかじめ十分な下げ代を確保する必要があり、結果として再エネ制御量が増加する一因となる。
なお、後のコマで計画していた放電が出来ないことは、系統全体として供給力不足を招く一因ともなる。
全国的なリアルタイム制御導入に要する概算工期は4年程度、概算費用は一般送配電事業者9社(北海道NWを除く)合計で約760億〜930億円(子局・通信線工事費は含まず)と試算されている。
順潮流側ノンファーム型接続の方向性
以上より、リアルタイム制御は、蓄電池事業者のインバランスリスクが大きく、系統全体としても、調整力・供給力不足のおそれがあるという点を踏まえ、計画値制御手法の導入を目指すこととした。ただし、計画値制御の実現に向けては、本稿では説明を割愛した
- 混雑量計算時間増加に対する対応
- 逆潮流および需給抑制との整合
- アグリゲータ側のシステム対応
- 調整力確保・供給力信頼度評価方法の確立
- 計画値制御対応PCS等の導入
など、数多くの課題を解決していく必要がある。
また、蓄電池の計画値制御によるノンファーム型接続の導入には5〜7年を要することから、足元での追加的な対策も求められる。このため、現行の「充電制限方式」による充電制限時間の設定を柔軟化させる方策等について検討を進める予定としている。
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