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中東情勢がもたらす燃料調達への影響 今後の電力・ガス供給の見通しは?第5回「次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会」(2/3 ページ)

中東情勢の影響により化石燃料の調達見通しが不透明化する状況を受け、「次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会」の第5回会合では、石油備蓄・LNG在庫の現状や、中東情勢を踏まえた火力発電の政策的対応について報告が行われた。

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国内のLNG在庫の現状

 日本では輸入LNGの大半を、ガス火力発電用燃料(年間3,700万トン程度)及び都市ガス原料(年間2,500万トン程度)として使用している。発電用は夏・冬に、都市ガス用は冬に需要が増える傾向がある。

 資源エネルギー庁では、これまでも大手電力会社が使用する発電用LNGの在庫状況(週末在庫)についてモニタリングを実施し公表しており、3月22日時点の在庫は、過去5年平均を上回る水準となっている。


図2.大手電力会社のLNG在庫(2026年3月22日時点) 出典:次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会

 また、ガス事業生産動態統計によれば、ガス事業者のLNG在庫は、過去5年平均と概ね同水準で推移しており、ガス事業者へのヒアリングによれば、2026年3月中旬時点では、安定した在庫水準を確保している。

 よって現時点、電力・ガス会社は合計400万トン程度のLNG在庫を保有しているが、原油と異なり、−162℃の極低温の維持が必要なLNGは長期備蓄できないことに留意が必要である。


図3.ガス事業者のLNG在庫の推移(2025年12月末時点) 出典:次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会

原油・LNG価格の動向

 原油価格($/バレル)は3月25日時点では、米国市場の指標価格であるWTIが$90.32(イラン攻撃前比較:+$23.30、+34.8%)、欧州市場の指標価格であるブレントが$102.22(イラン攻撃前比較:+$29.74、+41.0%)へと上昇し、2022年のウクライナ危機の価格水準に近づきつつある。


図4.国際的な原油価格の動向 出典:次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会

 また、アジアのLNGスポット取引価格指標であるJKMは、2月27日時点の$11.06/mmBtuから3月25日時点では$18.02/mmBtuへと上昇したが、ウクライナ危機の頃と比べると低位に推移している。


図5.LNG価格の動向 出典:次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会

国内の発電用燃料の動向

 日本において石油の主な用途は、ガソリン等の車両燃料やナフサ等の化学原料である。2024年度の日本の電源構成(発電電力量構成比)は、石炭が約29%、天然ガス(LNG)が約32%、石油等が約7%であり、火力が約7割を占めている。石油火力発電の主な燃料はC重油であり、図6の「石油等」には石油以外の副生ガス等も含まれるため、石油は3%程度を占めると報告されている。


図6.日本の電源構成(2024年度速報値) 出典:次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会

 一般的に石油火力の発電コストは他の電源と比べて高いため、高需要期である夏・冬を中心にピーク電源として稼働しているが、離島では主力電源として活用されるケースも多い。ガス火力も石油火力ほど極端ではないものの、高需要期である夏・冬の利用率が高いミドル電源である。

 JEPXスポット市場は通常、マージナル電源の入札価格で約定するが、高コストな石油火力やLNG火力がマージナル電源となることが一般的である。このため、JEPXスポット市場価格は原油価格やLNG価格の上昇を反映し、やや上昇傾向にあるが、3月は軽負荷期であるという要因もあり、ウクライナ危機が発生した冬季と比べると低位に推移している。


図7.JEPXスポット市場価格の動向 出典:次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会

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