予備電源制度で初の落札 第2回募集の結果は2電源・計136万kWに:第113回「制度検討作業部会」(4/4 ページ)
万一の自体に備えた供給力の確保を目的にスタートした「予備電源制度」。第1回の募集は応札ゼロに終わったが、第2回は2件の落札という結果となった。本稿では予備電源制度の概要とともに、第2回の募集結果について解説する。
予備電源制度における第2回(2025年度)募集の落札結果
第2回(2025年度)予備電源募集(2026年度・2027年度制度適用開始向け)では、西エリアで応札2者(いずれも落札)、東エリアでは応札なし、という結果となった。落札総容量は1,364,985kWである。落札事業者数が3者未満であるため、落札金額合計は非公表とされている。
2025年度予備電源募集における落札電源の制度適用期間は、図4の通りである。
目安価格の引き上げ(初回6,429円/kW→第2回14,399円/kW)等の制度見直しが、西エリアでの予備電源確保に一定の効果を発揮したと考えられる。
他方、東エリアでは、2024年度容量市場メインオークション(実需給年度:2028年度)において、追加処理後においても不足エリアのままとなり、上限価格以下の電源が全て約定しており、予備電源候補となり得る電源が乏しかったことが、第2回募集でも応札が無かった理由と推測される。
第3回(2026年度)の募集概要
先述の通り、予備電源として確保すべき量は、短期立ち上げ・長期立ち上げの合計で300〜400万kW程度としている。予備電源は制度適用期間を最大3年間としているため、制度が順調に運用されることを前提とすれば、毎年度の募集で全体の1/3ずつを募集すれば、必要量を確保できることとなる。
制度開始間もない現時点では、足元の予備電源と必要総量のいずれも確保できていないため、各年度の募集で2カ年分(初回:2025・2026年度第2回:2026・2027年度)に相当する200〜300万kW程度をまとめて募集している。
第3回募集についても同様に、2カ年分(制度適用開始年度を2027・2028年度)を募集することとして、東/西エリアで予備電源確保の状況が異なることから、東/西エリア別に募集量を設定することとした。
東エリアで確保すべき予備電源の量は、全国の半分(2027年度150〜200万kW、2028年度150〜200万kW)となるが、一回の募集で募集量を過大に設定した場合、適正な競争が機能しないおそれがあるため、第2回募集と同様に、2年度合計で100万kWを募集することとした。
西エリアについては、既に確保された予備電源を考慮すると、追加で確保すべき予備電源の量は、2027年度で68〜118万kW、2028年度で96〜146万kWとなる。過剰な調達となることを避けるため、2027年度の未達量68〜118万kWのうち幅の低い方を取り、2年度合計で68万kWを募集することとした。
なお東/西エリアのいずれも、募集量をまたぐ電源は落札とする。
容量市場では、指標価格の引き上げとそれに伴う上限価格の見直しにより、供給力の確保が強化される予定である。これにより、容量市場メインオークションで不落札となる電源数の減少も予想されるが、休止電源の維持の在り方について、さらなる検討が求められる。
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