ニュース
日本の関連売上高を2035年に3倍へ 新たな「蓄電池・電源産業戦略」の内容とは?:第8回「蓄電池産業戦略推進会議」(5/5 ページ)
EVや電力系統向けなど幅広い産業における重要技術・製品である蓄電池。世界的な開発競争の激化や国際規制など市場環境の変化が急速に進む中、「蓄電池産業戦略検討官民協議会」は新たな「蓄電池・電源産業戦略」を策定した。
蓄電池のサステナビリティ確保に向けた取り組み
欧州バッテリー規則では、欧州市場に電池を上市する際の要件として、ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量による規制(カーボンフットプリント規制)、責任ある材料調達(デューディリジェンス)、リサイクル規制といったサプライチェーン全体に関するルールが定められている。
これらの規制に対応するためには、GHG排出量や人権・環境リスクといったデータをサプライチェーン上の企業間で共有する仕組みが必要であるため、「日本版バッテリーパスポート」の構築や、蓄電池のリユース・リサイクルの商流の構築に向けた実証が進められている。欧州の再生材使用義務対応に向け、国内では2028〜2030年頃に再生材を使用した電池の製造・販売を目指すとしている。
また、自動車・蓄電池サプライチェーン上の企業間で安全・安心なデータ共有を実現するデータ連携システムの運営を担う事業体として、「自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター(ABtC)」が設立され、2024年5月にサービス提供を開始している。
優れた性能や安全性等が求められる技術的難易度が高い用途や、日本の技術の強みを発揮できる次世代電池で市場を獲得し、産業競争力の強化やサプライチェーンの強靱化が進むことが期待される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
蓄電池ビジネスの「競争軸」に変化の兆し EMS・アグリゲーター各社の最新動向
蓄電池は置くだけでは稼がない。充放電のタイミングを市場に合わせて最適化し、収益を上げていくためには、高度なEMSとアグリゲーターの存在が不可欠だ。「スマートエネルギーWEEK 2026」のブースから、制御・運用を担う注目企業の動向を報告する。
ペロブスカイトなど「次世代型太陽電池戦略」の進捗状況 普及に向けた新施策も
新たな産業分野として、今後の普及と発展が期待されているペロブスカイトなどの次世代太陽電池。その普及促進に向けた方針を検討する次世代型太陽電池官民協議会の第10回会合では、2024年11月に策定した「次世代太陽電池戦略」の進捗や、新たな施策の方向性について議論が行われた。
「蓄電池事業者協議会」が発足 短期的利益だけではない中長期視点での市場育成を支援
蓄電池関連の事業者などで構成する蓄電池事業者協議会が発足。技術と制度の両面で新たな課題も指摘されている系統用蓄電池ビジネスなどを対象に、関連事業者の声を集約して制度設計や法規制に関して政策提言を進める方針だ。

