原子力政策の指針を3年ぶりに改定へ 2040年に最大550万kW分を建て替えの方針案:第49回「原子力小委員会」(3/3 ページ)
政府は原子力政策の指針となる「今後の原子力政策の方向性と行動指針」を3年ぶりに改定する方針だ。第49回「原子力小委員会」では今後の建て替えの計画など、改定内容の素案が公開された。
四つ目の柱:バックエンドプロセスの加速に向けた取り組み
六ヶ所再処理工場は、現在、「設計及び工事計画の認可」(設工認)の審査対応中であり、竣工目標は、再処理工場が2026年度中、MOX燃料工場が2027年度中、と報告されている。まずは同工場の計画どおりの竣工及び安定的な稼働を進めることとする。
廃炉決定済の18基(福島第一原子力発電所を除く)のうち、5基は周辺設備を解体する第2段階(浜岡1、2号機は第3段階)にあり、すでに一定量の低レベル放射性廃棄物が発生している。報道等では高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定を目にするが、現在、低レベル放射性廃棄物の処分場についても一部を除き確保されていない。
今後原子炉等の解体作業が本格化することが見込まれる中、円滑かつ着実な廃炉を実現するため、「使用済燃料再処理・廃炉推進機構(NuRO)」による廃炉に関する知見・ノウハウの蓄積・共有、廃炉工程全体を円滑化・効率化するための取り組み等を進めるとともに、低レベル放射性廃棄物の処理・処分の円滑な実現に向けた検討を進めることとする。
五つ目の柱:事業環境整備/サプライチェーン・人材基盤の維持・強化
原子力発電は、巨額の初期費用や長い建設期間・投資回収期間、市場価格の変動に伴う中長期的な収入の予見性の低さ、バックエンド事業の不確実性、許認可に係る不確実性など多くの課題を内包する事業である。これらの課題を緩和し、既設炉及び次世代革新炉への投資を促すため、事業環境整備の検討・具体化を進める。
当初、国内での導入が期待された支援策の一つに、英国のRABモデル(Regulated Asset Base:規制資産ベース)がある。RABモデルでは、投資家と需要家及び納税者でリスクを分担し、資金調達コストを減らすことで総費用を削減できると考えられたが、これを適用したSizewell C発電所では、株式の半分弱を政府が取得するとともに、負債の多くを国の公的投資基金(NWF)が融資する構造となっている。
国内の長期脱炭素電源オークションでは、これまで計3回の入札により、島根3号、東海第二、泊3号、柏崎刈羽6号、大間、泊1号が落札しており、一定の制度活用が進んでいるが、今後も必要に応じて追加的な取り組みの検討を進めることとしている。
原子力発電に係る国内サプライチェーン・人材基盤を維持・強化するためには、産官学連携による実効的な取り組みを進めることが重要である。「原子力人材育成・強化に係る協議会」では、戦略的な人材確保・育成に向けた今後のロードマップを、2026年度中をめどに策定予定としている。
六つ目の柱:国際的な共通課題の解決への貢献
アジア等の原子力利用検討国に対する安全面も含めた導入基盤の構築支援など、同志国との国際協力をさらに深める。
また、今後の国内での建て替えに向けた原子力産業・人材基盤の維持・強化も見据え、日米・日仏など同志国との次世代革新炉に関する研究開発、既設炉の安全性向上、同志国のプロジェクト参画を通じた連携強化を進める。
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