検索
ニュース

過大な営業行為が続くLPガス業界 規制の実効性強化に向けた判断基準を明確化へ第13回「液化石油ガス流通WG」(4/4 ページ)

「無償貸与」や「貸付配管」といった商慣行が問題視されているLPガス業界。政府はこうした商習慣に対する規制の実効性強化に向け、判断基準の明確化に向けた検討を開始した。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

設備残存価格の請求に関する最高裁判決への対応

 これまで戸建住宅の分野では、戸建住宅を新築する際に、工務店や建設業者が、提携先のLPガス事業者に無償で消費配管の屋内工事をさせる「無償配管(貸付配管)」という商慣行があった。配管工事費(20〜30万円)が住宅建築費に含まれないため、住宅価格が安く見えることとなり、費用負担したLPガス事業者は15年程度の長期契約の中で、LPガス料金とともに費用回収する仕組みである。※配管だけでなく、給湯器等の場合もある。


図6.無償配管等とLPガス契約解除を巡る訴訟 出典:液化石油ガス流通WG

 無償配管/貸付配管の戸建住宅において、家主(消費者)がLPガス事業者を変更しようとすると、LPガス事業者は貸付配管等の費用精算を求めることになるが、消費者側が支払いを拒否して訴訟事件が複数発生していた(原告:LPガス事業者、被告:消費者)。

 2025年12月の初めての最高裁判決において、本件では当初のLPガス事業者は費用請求できない結論となった。

 この判決を踏まえ、LPガス販売事業者が、解約・終了時にガス消費設備の残存価額を請求するためには、LPガス供給契約において、

  1. 三部料金が採用され、
  2. 設備料金として、支払根拠(償却方法等)・支払期間・金額等を明確に規定した金額が請求され、
  3. 支払うべき残存価額の算定が、経過年数に基づく説明可能な適正な方法であること

が必要であることを、LPガス取引適正化指針に反映することとした。

LPガス事業者の切替えの制限に係る基準

 改正省令では、LPガス事業者の変更を制限するような条件を付した契約等の締結を禁止しているが、具体的な基準は定められていない。

 消費者がいつでも自由にLPガス事業者を変更できるならば、新規契約時に利益供与した金額を回収できなくなるため、過大な利益供与は自ずと無くなる(無理のない水準に落ち着く)と予想される。このため、WGに参加する事業者や業界団体からは、LPガス事業者の変更制限の撤廃こそが、「正常な商慣習」の実現に向けた最も有効な方策であると述べられている。

 WGでは今後、LPガスの契約期間や違約金等の基準について、検討を行う予定としている。

 「正常な商慣習」の実現には、LPガス事業者だけでなく、アパートオーナー等の不動産業界の取り組みも不可欠である。国土交通省には規制・罰則も含めた規律強化の検討を求めたい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る