SAF供給の義務量に指針 供給率は2030年度1%、2032年度以降は5%に:第9回「持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会」(4/4 ページ)
航空分野の脱炭素化に向けて導入検討が進んでいるSAF(持続可能な航空燃料)について、政府が供給義務量の方針を示した。まずは国際線向け給油量上位の7空港を対象とし、SAF供給率は2030年度の1%から段階的に引上げる方針だ。
「空港インセンティブ方式」によるSAF費用の負担
高度化法により、ジェット燃料供給事業者に対して一定割合のSAFの供給を義務付ける場合、ジェット燃料供給事業者は石油由来ジェット燃料とのコスト差額を何らかの方法で回収する必要がある。
このため諸外国では、サーチャージ方式、SAF Levy方式、空港インセンティブ方式など様々な方法により、航空利用者からSAFの費用を徴収し、これを財源として航空会社等に対する「値差支援」が行われている。(参考記事:SAF(持続可能な航空燃料)コストの利用者負担 「空港インセンティブ」方式の検討を開始)
現在日本では、着陸料、停留料、保安料、旅客施設取扱使用料等の様々な料金が、各空港により設定されており、運賃本体とは別に、直接的/間接的に旅客等から徴収されている。
国土交通省では、既存の空港使用料との親和性から利用者の「負担感」が抑えられる可能性や、法改正を行わずとも既存制度の延長で制度設計できる可能性を踏まえ、「空港インセンティブ」方式による、費用徴収について検討を進めている。
SAFに関する新たな費用徴収及び「値差支援」策は、高度化法によるSAF供給義務化のタイミングと合わせ、2030年度の開始を念頭に、先述の国際線旅客数上位7空港において国際線用にSAFを給油する航空会社に対し、一定額を支援する仕組みを設ける。
この値差支援は、各空港において給油されるSAFの数量に応じて行うこととし、義務化分の数量に限らず、ボランタリーに給油される数量(一定の範囲内)についても対象とする。この仕組みにより、航空会社は、高度化法義務量以上のSAFを購入することが可能となり、SAFの供給量の増加とスケールメリットによる中長期的なコストダウンが期待される。
よって実質的なSAFの供給量は、ボランタリー給油量も含めた値差支援対象の総量次第となると考えられる。
SAF購入の値差支援の財源としては、「脱炭素化を内包した航空ネットワーク」を利用する対価として、7空港を出発する国際線の航空利用者(旅客及び貨物)から、飛行距離に応じて、一定の負担を求める。具体的な距離の区分や費用水準については、今後の検討とされている。
ICAOのCORSIAでは2035年度以降、さらなるGHG排出規制の強化が見込まれ、2050年カーボンニュートラルに向けては、全ての空港における国際線・国内線全ての便における排出削減が求められる。
高度化法の次期告示期間については、SAF義務量の見直しや「空港インセンティブ方式」による費用負担の水準等について、検討を継続する予定としている。
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