コストが削減できるだけ? 意外に知られていないIP電話のメリットの1つが、これまで面倒な手続きが必要だった、増員や異動に伴う手続きが簡単にできること。オフィス移転は、資産も配線もキレイになるIP電話導入のチャンスだ。
業績好調につき、オフィスも手狭になってきたIT商事。この4月には社屋の移転を予定している。中でも総務関連の移転担当を命じられたヒロシ主任だが、なにやら戸惑っている様子。
ヒロシ主任 会社の電話の移転をするのはいいけど……。ウチの会社っていったい何回線あるんだ……。前の担当もその前の担当も業者に丸投げだもんな。まったくもってどうなっているのかよく分からない……。
タカフミ君 あ、ヒロシ主任。電話の移転担当就任、おめでとうございます! どうせ移転するんだったら、ショボイいまのビジネスフォンやめて、最新のIP電話にしませんか?
ヒロシ主任 おいおい。IT好きなキミはいいだろうけど、普通の人にはIPうんちゃらなんて難しそうだよ。そもそも私には分かんないし。だいたい、こういうのは来年になればもっと安くて機能もアップするものだから、慌てると損するぞ。
タカフミ君 僕が担当だったら絶対IP電話にするのになー。
ヒロシ主任 電話は趣味で決めるモノじゃないの!
マサヨシ課長 いや、IP電話といっても、今やそんなに難しいものでもないんだぞ。
タカフミ君 あ、課長!
ヒロシ主任 いや、だってIPでインターネットで……。ほらネットはつながったり、つながらなかったりするじゃないですか。会社の電話がそんなじゃ困りますよ。(そもそもそんなITチックになったら私が分かんないし……)
マサヨシ課長 それは数年前の話だな。いまはIP電話も十分に成熟していて、値段もこなれてきている。イメージだけで考えると、道を誤るぞ。
タカフミ君 ですよね、やっぱりIP電話のほうがカッコイイですよ。
マサヨシ課長 カッコイイというよりも、実はIP電話にすると管理や回線の追加が楽になるというメリットのほうが大きいかもな。
ヒロシ主任 えっ! そうなんですか。IPのほうが大変そうに思えるんですけど。
マサヨシ課長 使う分にはIP電話かどうかなんて、もう違いが分からないんだ。それより、これまでは回線を増やすたびに工事を依頼して1週間くらい待っていただろう。それがこのUCOMのIP電話なら、申し込みをすれば数日で電話機が送られてくる。あとは自分で机のLANにつなぐだけでOKなんだ。
タカフミ君 それは簡単ですね。ヒロシ主任でもできそう……。
ヒロシ主任 なんだと―。……でも確かにそれなら簡単かも。業者といろいろやらなくても済みそうですね。内線表も作り直さなくていいとか? それは簡単でいいなぁ。
IP電話のメリットに入る前に、現状の電話の問題点を考えてみよう。多くの場合、電話システム(PBX)から電話機まで一括して業者に委託しているはずだ。これは一見、手間がかからないように思える一方で、
という構造を招いている。担当が知らないのをいいことに、請求がドンブリ勘定になっていることもあり得るのだ。いい例が、人員増やオフィス移転の際に発生する請求だ。実際には大した設定変更でなくても、その都度、工事代を請求され、意味も分からず払っていないか。
そもそもオフィスの電話システム(PBX)の場合、配線作業ができる業者が限られている。電話配線を必要としないIP電話に比べると、コストが高くなりがちだ。
このように既存の電話システム(PBX)を移転するには、けっこうなコストがかかるが、その後の通話料の削減も併せるとIP電話を新規導入するコストとトントンという場合も少なくない。
担当者として不透明なコスト構造にメスを入れる、いいチャンスでもあるだろう。
オフィス移転の場合、頭を悩ませるのが配線周りと移転の手続き。下記の表にまとめたように、IP電話には配線がすっきりし、人員の増加や異動にスムーズに対応できるという利点がある。
作業 | PBXの場合 | UCOM IP電話の場合 |
---|---|---|
レイアウト図 | 移動する人、動かすものを決める | |
環境 | 電源、LAN配線、電話配線を確認 | 電源、LAN配線を確認 電話配線は必要なし |
内線表 | 新しい内線表を作る | 同じ番号をずっと使うため内線表の書き直し不要 |
業者 依頼 |
レイアウト図を基に業者依頼。移設作業立ち会い、PBX変更立ち会い、疎通確認、支払伝票整理 | 移動先のLANケーブルに電話を差せば移設完了。業者委託は必要なし |
もう1つ、担当者として見逃せないのが会社資産の整理だ。業務拡大につきオフィス移転──。そんな成長企業の場合、資産管理がこれまで以上に求められてくる。
古くから回線の増設を繰り返してきた場合、自社の保有回線の状況が分からなくなっている場合もしばしばだ。しかも現在、NTT回線は資産計上されてはいるものの、実質的な価値はない。税理士から「御社の資産状況、これを機にキレイにしましょう」と言われたときに、どう対処するか。
こんなときこそ、ふくれあがった固定回線を整理し、IP電話化によって資産をキレイにまとめるチャンスだ。自社の資産状況がよく分からないというのは、裏を返せば“管理が行き届いていない”ということ。リスクを減らすという意味でも、コスト削減という意味でも価値は大きい。
ちなみにIP電話には、インターネット回線も統合できるオプションが用意されている場合も多い。2つを統合することで管理を一元化できる。こうした点も見逃せない。
ちなみにIP電話の品質に不安を持つ必要は、もうない。03番号(東京の場合)のIP電話は“固定電話並み”の品質だという認可を総務省から得ている。家庭用の050番号ならともかく、固定電話と同じ番号が使えるIP電話なら、利用者側は違いを気にすることもない。また、UCOMの電話番号なら移転をしても番号が変わらないのも覚えておきたい。
番号体系 | 通信方法 | 音質 |
---|---|---|
03-xxxx-xxxx(例:東京) | 電話機→電話機 | 一般の固定電話と同等 |
050番号 | 電話機→電話機 | 携帯電話並み |
ソフトフォン (IPアドレス) |
PC→PC | 従来のソフトフォンより向上 |
もしもトラブルが発生しても、UCOMのIP電話ならNTTのバックアップ回線を用意しているため、業務が止まる心配もない。
信頼性だけでなく、成長する企業を支え管理する立場として、将来の拡張をどこまで考慮するかも気がかりな点だ。PBXの場合は、そもそも余裕を持った設備を導入し、収容台数を超えたら買い換えが必要になる。あまり大きな容量のものを購入しては無駄になるし、かといって頻繁に買い換えるのも避けたい。IP電話の場合、増員に応じて「SIPサーバ」という設備を買い足していけばいいので、買い換えではなく“増設”で済ませることができる。初期コストだけではなく、将来に向けての拡張コストを考えておくことも重要な点だ。
なお、忘れてはいけない通信コストも、IP電話化によってざっくりと3割〜4割削減できると見ておこう。UCOMのIP電話は2分5.67円。日本の通話は約7割が2分以内といわれており、3分単位の課金方式に比べてお得度が高い。
そして特に大きいのが、拠点間の通話が無料となることだ。オフィス移転の際に、営業所と本社の間の通信コストを無料に──。単なる移転作業だけでなく、コスト削減まで提案できることの意義は大きい。
オフィス移転といえば、大変なコストのかかるもの。しかし、IP電話の導入などで、うまく設備を入れ替えれば、逆にコストや手間を削減できる。これまで不透明だった資産管理やコストの明細もキレイにするチャンス。“攻め”のオフィス移転に、IP電話導入はいい組み合わせとなるだろう。
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提供:株式会社UCOM
制作:ITmedia Biz.ID編集部/掲載内容有効期限:2008年1月31日