効率アップ、クオリティアップのためのデジタル仕事術

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アノトペンなら「できる」:全世界で20万人が使っている「紙とペンだけ」の業務改善

この不況下にあって、コスト削減は最大の懸案だ。とはいえ、そんなに簡単に削減できないのも現実だ。トータルコストを削減し、投資対効果が明らかな対策――の1つであるデジタルペンソリューションを紹介しよう。

[PR/Business Media 誠]

 「年間600時間の時短」「1000万円の人件費削減」――そんなコスト削減の事例がある。この不況下にあって、コスト削減は最大の懸案だ。「簡単に削減できるものなら是が非でも」と思っているマネジャーは少なくないはずだ。コスト削減でまず思いつくのが、業務フローの改善だろう。とりわけ「紙の書類に書き込んだデータをPCに打ち直す」などのアナログからデジタルに変換する作業を減らすことは、コスト削減の効果が高い。

TCOで選べばデジタルペン

st_anoto01.jpg アノト方式のデジタルペン
Copyright Anoto AB

 こうしたアナログデータをデジタルデータに変換する作業について、近年注目を集めているのがデジタルペン。そもそも紙とペンを使って書いているなら、書き込んだ内容をデジタルデータとして再度入力するのではなく、書いた瞬間からデジタル化できればいいというわけだ。ワンクッション、入力作業が減るのが明らかである。

 デジタルペン以外でも最近は高性能なPDAや、iPhoneやBlackBerryなどのスマートフォンの業務利用が増えているが、そうしたケースで考えたいのはTCO(Total Cost of Ownership)。つまり端末単体でのコストではなく、管理コストや導入までのトレーニングコスト、ソフトウェアなどの総保有コストである。

 米Gartnerの調査(2007年)によると、PDAやスマートフォンのTCOは1台あたり年間1033ユーロ、当時1ユーロ160円だとすると約16万5300円。これに対してアノト方式のデジタルペンでは、3つの実例でいずれもTCOが低いという調査結果(スウェーデン・ルンド大学調べ)が出ている。総保有コスト全体では3割近くアノトペンが有利だった計算だ。

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ABCのケースはスウェーデン・ルンド大学調べ。PDAとスマートフォンに関する調査は2007年10月の米Gartnerの調べ(G00147540)

 象徴的なのが訪問介護のB。下のグラフに示した通り、ハードウェア、運用、サポートといったコストは軒並みPDAとスマートフォンのソリューションを下回る。特に運用コストとサポートコストは、PDAとスマートフォンの場合が262ユーロ(4万2000円前後)と206ユーロ(3万3000円前後)だったのに比べて、Bのケースは36ユーロ(5800円前後)、56ユーロ(9000円前後)にとどまった。アノトペンを利用することで、この2つの項目だけでも6万円近くのコストダウンにつながるわけだ。

TCO比較

st_anoto00.jpg 左がPDAとスマートフォンのケース、右がBのケース。Bのケースはスウェーデン・ルンド大学の調査による。PDAとスマートフォンは2007年10月の米Gartnerの調査(G00147540)による

 最新のPDAやスマートフォンは確かに高性能だが、使いこなすにはある程度のスキルが必要。一方デジタルペンは紙とペンという、誰もが慣れ親しんだツールを活用し、しかも既存の紙ベースの業務フローを大幅に変更する必要がない。このため、ユーザーが迷うことなく利用できて、問い合わせ対応などのサポートコストを抑えられるのが大きな差になるというわけだ。このようにデジタルペンの導入は、TCOを抑制できる上に業務効率を大幅に向上できるため、ROI(Return of Investment)の面でも非常に優れているのだ。

デジタルペンってどれも一緒なの?

 デジタルペンは方式によっていくつかの種類に分けられる。主な方式は、ドットパターンを印刷した用紙を利用する「アノトペン」が有名な「アノト方式」、デジタルペンの軌跡を超音波と赤外線で受信機に送信する「超音波・赤外線方式」、そしてタブレットとデジタルペンを組み合わせた「電磁誘導式」の3つの方式である。

 このうち、世界的に普及が進みつつあるのがアノト方式だ。アノトペン本体に超小型カメラやCPU、メモリ、バッテリーなどを内蔵し、書き込んだデータを保存する。ドットパターンを印刷した紙にアノトペンで記入すると、いったんその筆跡をメモリに蓄積し、後でまとめてPCやサーバに保存できるという仕組みである。

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 ほかの方式と比較してアノト方式が優れているところは、「紙とペン以外は何もいらない」という点。超音波・赤外線方式では超音波を受信するためのユニット、電磁誘導式ではタブレットといった「紙とペン以外の何か」が必要なのだが、現場でそうした何かが不要なのがアノト方式の特徴なのだ。まさに普通のペン感覚で利用できる――必要なのは「紙とペン」だけというわけである。

 さらにアノトペンでは、0.3ミリ間隔のドットパターン上に書き込むことで、どのページのどの位置かを特定する。各種帳票に記入した手書きデータを正確に読み取る性能と精度については、アノト方式が数あるデジタルペンの中でも優れている点である。誰でも利用できて、精度を求められる業務用ソリューションに極めて適した方式なのだ。

専用紙じゃなきゃだめなの?

st_anoto06.jpg アノト認定のプリンタを利用することでアノトペン対応の用紙を簡単に印刷できる

 シンプルで分かりやすいアノトペンだが、これまで「専用紙が必要」という言葉に導入をためらう会社もあった。「すばらしい商品だが専用紙が必要なのか? 毎回アノトに(専用紙を)発注しなければいけないのか? それではランニングコストが心配だ」というものだ。しかし実際は、対応するプリンタで通常のコピー用紙に帳票とドットを同時に印刷できる。必要な時に必要な枚数だけ印刷できるので、専用紙を切らしてもわざわざ発注する必要もないし、膨大な量の帳票を保管するためのスペースで悩むこともないのだ。

 また、システム的なメリットもある。例えば、既存の帳票にドットパターンを追加することで対応しているケースも多い。帳票デザインの一部変更はあるものの、全く異なる新たな帳票をデザインすることは不要だ。つまり、ドットパターンさえ印刷できれば、既存帳票のデザインや形態(複写式帳票やラベルなど)を活かしつつ安定的に稼働している現在の業務システムを大きく変更することなく導入できるのである。


アノトペンが広がっている背景と理由

st_anoto07.jpg Copyright Anoto AB

 実は冒頭の「年間600時間の時短」「1000万円の人件費削減」というのもアノトペンで実現した事例。前者は高速道路の点検業務、後者は機器メンテナンスの報告業務のケースである。

 全世界で20万人のユーザーがいるというアノトペン。先ほどのような点検業務やメンテナンス業務に加え、製造/金融/医療/教育分野で実績を上げている。精度の高さや利便性の高さで評価が高い。ここで、4つの事例を紹介しよう。

ゆうちょ銀行:面談記録の入力作業が営業活動の大きな負荷に

 ゆうちょ銀行の渉外員は、担当地域の顧客を訪ね、貯金口座開設の申込受付をはじめ、各種金融商品の紹介・提案・販売など多様なサービスを提供。日々の営業活動を終えて外出先から戻った後も、次の訪問に備えるための情報収集や事務処理などさまざまな業務をこなす必要があり、そんな事務作業の中でも顧客とのやりとりを記録する「面談記録」の作成に労力がかかっていた。

 「金融商品、とくに元本保証のない投資信託商品の販売においては、損失が出るリスクがあることをお客様に理解していただけるよう十分にご説明するとともに、その記録をデータとして残しておかなければなりません。そのために渉外員は、店舗に戻った後、お客様と交わした詳しいやりとりを、具体的な会話の形でシステム端末に入力する必要があります。ところが、入力作業にはかなりの時間を要するうえ、各店舗の端末数も限られているために順番待ちになってしまうなど、作業効率の改善が大きな課題となっていました」(ゆうちょ銀行営業部門資産運用商品部・松岡一晴担当部長)

 そこで、アノトペンを活用した実証実験を東京都内の3店舗で実施。「お客様氏名」「面談日時」「投資信託口座番号」「商品種別」「メモ」といった記入欄の文字や数字、チェックマーク記号などをアノトペンで記入。それぞれの認識率や入力時間、アノトペンの使用感などを評価したという。

 2009年3月までの約2カ月間、業務改善の効果を測定したところ、入力時間は1店舗あたり70%近い削減。認識率も、文字、数字、チェックマーク記号ではいずれも99.5%以上。「ほぼ誤認識なく入力でき、大幅に業務時間を短縮できることが分かった。渉外員が違和感なく使えたのもよかった」(松岡氏)という。

INAX:ショールームの残業時間は減、接客数は増

 トイレや洗面器、ユニットバスなどを販売するINAXでは、全国63カ所のショールームでアノトペンを導入している。きっかけは、業務の効率化だ。導入前のショールームでは、来場した顧客の見積書を接客後に作ることになっていた。というのもショールームはトイレ、キッチン、バスルームなどの4エリアに分かれており、ショールーム中を移動しながら使い勝手などを試してもらうからだ。顧客の意見をメモに取りながら案内し、その後、見積書に清書するという流れである。

 客が少ない時間帯ならそうした見積書も作成できるが、混み出してくるとそうもいかない。「残業してお客様の見積書や資料を作っていた」(INAX経営戦略本部マーケティング企画部ショールーム戦略室の橋本祐未子氏)のである。その後、アノトペンを導入。当初は現場にも混乱が見られたが、数カ月で案内しながらアノトペンで見積書を書き込むスタイルが浸透。ショールームの閉館時間を前倒しにした効果もあったが、「かなり残業時間が減った」という。

 アノトペンの導入はもう1つの効果もあった。それまで、中央のサーバーで全国営業部門の送るデータを基に提案書を一括して自動作成していたため、提案書の発注から完成までに時間がかかっていた。アノトペンの導入にあたり、アノトペンからの通信データを基に見積書を作成する専用サーバを設置。「アノトペンで作成した場合、提案書を優先して出してもらえるので、現場も積極的に利用するようになりました」。

 なお、アノトペンではなくモバイルPCの導入も検証したが、1回の接客時間が1時間30分ほどかかるため、持ち歩く場合の重さやバッテリーの問題から選外になった。アノトペンを選択した理由は「文字の読み取り精度とBluetoothによる無線通信です。どうしても接客中の作業をやらざる得なかったので」という。

 「お客さまが珍しがって、話のきっかけになる」と橋本さん。最終的には残業時間を減らしたのに、接客数や見積もり件数が10%ほど増えたという。「売り上げに貢献した、と言えるでしょうね」

セディナ:ショッピングローン加盟店の取扱金額が3倍に

 信販業界で初めてアノトペンを導入したのはセディナ(旧セントラルファイナンス)だ。狙いはショッピングローン(個別クレジット)やクレジットカード申込時の「個人情報保護」と「業務効率化」である。システムにはアノトペンを採用。専用申込書を使用し、申込み時に記載された情報や筆跡を直接電子化し、そのままPCやサーバに送信している。

 まず効果があったのは個人情報の保護だ。以前はショッピングローンを申込むために店頭で記入された申込書は、審査を行うためにファクス送信する必要があった。しかしアノトペン導入後は、申込書をファクスすることなくデータのみを送信する。しかもクレジットカードの場合は、申込書自体を「お客様控え」として顧客に渡してしまうという。当然、誤ファクスや郵送時(輸送時)の紛失リスクも減らせるのだ。

 またアノトペンの場合、ペンを万が一紛失した場合もデータ流出のリスクを回避できる。アノトペンで記入したストロークデータは未公開の座標データ。独自の圧縮形式で保存するため、万が一アノトペンが盗難・紛失等により第三者の手に渡ったとしても、アノトペン内部のデータを取り出したり、解析したりすることは困難だという。データ送信時も暗号化を行い、データ送信後はペンの中にデータが残ることなく削除される。

 業務効率も向上した。リアルタイムで審査部署にデータを送信し、筆跡をOCR処理してテキスト化。同社のワークフローや審査システムとも連携し、審査業務を効率化できたという。特に家電や貴金属など、個別の商品ごとに分割払い契約を結ぶショッピングローン加盟店での評価が高い。アノトペンなら商談している最中に席を立つ必要がなく、紙とペンだけなので操作が簡単なため、オペレーションのトラブルも少ないからだ。これらの特徴が好評で、アノトペン導入後はその利便性からショッピングローンの取扱金額が3倍に増加した加盟店もあるという。

日立の中央研究所:研究ノートをデジタル化、特許や知財の“内容証明”

 知的財産保護の施策も最小限のTCOで実現したのが日立製作所中央研究所。研究室で生み出される、さまざまなアイデアや実験結果。その内容を書き留める研究ノートが「紙」の世界から「デジタル」の世界へ広がったら、どんなメリットが生まれるのか。日立製作所中央研究所の「デジタル研究ノート」は、アノトペンを使って、研究ノートをデジタル化する試みだ。

 そもそも、企業や大学などの研究機関では以前から、日々の研究プロセスで生み出されるデータやアイデアを決められたノートに研究者自身が書き留める作業が行われているという。これは特許や知的財産を保護する観点で、研究段階で生み出されたアイデアのオリジナリティや実験データ、論文内容の正当性を証明することが重要だからだ。今回のデジタル研究ノートもその一環なのである。

 デジタル研究ノートといっても、ノート自体が電子端末に変わったわけではない。通常の紙のノートとデジタルペンの組み合わせだ。単に筆跡そのものを電子化できるわけである。アノトペンには、だれがいつ、どのページに書いたかといった基礎データも自動的に記録できるのだ。

 ポイントは「書く」こと自体を変えなかったこと。書いたままの内容をデジタルデータとして確実に保存し、記載内容の正当性を証明できる仕組みを作れば、将来それが特許や論文に結実した際のオリジナリティを客観的に証明できるのではないかと考えたのだ。アノトのデジタルペンには、そうした要件を支える基本機能がすでに備わっていたという。

アノトペンなら課題を解決できる

 コスト削減というと、どうしても不自由さや制限事項を伴いがち。だが実際に顧客とコミュニケーションする現場からすれば、利便性や顧客満足度の低下につながる施策はかえって営業のチャンスを逃すことになりかねない。TCO削減は自社の都合で、顧客には本来関係がないからだ。従って、コストを削減しつつ、利便性や顧客満足度を最低でも維持し、できれば向上させたい――というのがポイントになるはずである。

 そうした面から考えると、アノトペンは一歩抜きん出た存在だ。今回の取材で痛感したメリットは「紙とペンしか必要でないから、誰でも使える」こと。セディナはアノトペンを導入して加盟店を2倍に増やしたという。コスト削減だけのソリューションはたくさんあるが、ユーザーの使い勝手が悪ければビジネスは縮小するのだ。その点、アノトペンはもっとも基本的な入力手段である「紙とペンだけ」にこだわっていることが成功要因である。

 豊富な事例や提供各社のソリューションもビジネスを加速させるのに役立つだろう。アノトペンを上手に活用して業務改善やコスト削減を実感できれば、あなたの会社も景気回復に一役買えるはずだ。

アノトコンソーシアムについて

 アノト方式デジタルペン&ペーパーソリューションの理解と普及を図るために2003年に設立。定期的に会合の場を持ち、Anoto Group ABによる最新技術情報の提供や、国内外のデジタルペン導入事例の紹介のほか、会員相互でデジタルペンビジネスの情報交換などを行っている。デジタルペン啓蒙活動の一環として、外部に向けたプロモーショナル活動も積極的に行なっている。

会員企業(順不同)



提供:アノトコンソーシアム
アイティメディア営業企画/制作:誠 Biz.ID編集部/掲載内容有効期限:2010年6月9日


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