WordにPowerPoint、PSDにEPS……多様な形式のファイルを扱い、さまざまな作業環境が混在する誠 Biz.ID編集部では、業務効率向上のために、ある取り組みを行った。果たしてその結果は?
ライターやデザイナー、イラストレーターなど外部スタッフと共同で作業することが多い誠 Biz.ID編集部。社内ではWindows PCを使い、Word、Excel、PowerPointといったOfficeソフトのファイル形式のデータを共有することが多いが、デザイナーやイラストレーターはMacで作業する人が多く、JPEGやPSD(Photoshopのオリジナル形式)、EPSやAI(Illustratorのオリジナル形式)などの形式で画像データを送ってくる。
社内外のたくさんの人と一緒に仕事を進めることが多い誠 Biz.ID 編集部で、作業を改善し、効率化するにはどうすれば? 考えた結果出てきた案が「Adobe Acrobat XI Proを導入し、PDFをメインに扱う」という方法だった。
Windows、Mac、Android、iOSとPDFを読める端末は数多く、今ではほとんどのIT機器で読めると言える。さまざまな環境で仕事をしている関係者みんながすんなり読めることで、作業を単純化し、管理を一元化することで時間短縮にもなる。1日5分短縮できたとすれば、月に100分(月あたり20日出勤と計算)、1年で20時間。1日7時間労働とすれば、3日近い時間を稼げることになるのである。
以前も紹介したことがあるが、Adobe Acrobat XI Proは、PDFを使って文書業務を効率化するためのツールである。PDF作成だけと思っていてはもったいない(参照記事)。Adobe Acrobat XI Proを導入し、データのやり取りをPDF中心にすることで、チームの仕事をどう効率化できるのか? 以下、誠 Biz.ID編集部の例を見ていこう。
編集部の場合、避けて通れないのが複数名での内容確認・校正作業だ。PDFで送られてきた原稿の内容を確認したり、指示された修正内容をPDFファイルに反映するケースを考えてみよう。
これまで具体的な修正指示は、印刷してデータに手書きで赤字を入れたり、もしくは「何ページ目の何行目、『ABCについて〜』を『XYZに関して〜』に変更」などと、こと細かく指示メールを書いて送ったり、電話をかけて同様の内容を口頭で説明していた。会社にいるときならいいが、外にいる場合は印刷できる環境もないし、スキャナやFAXがないから結局メールや電話で指示、という場合がほとんどだ。いずれにしても時間がかかり、正確に意図が伝わらないことがある。
しかしPDFならこのような手間はかからない。校正や修正作業を行う場合、PDFに「注釈」として書き込むことで、直接データでやりとりできるからだ。Acrobat XI Proなら、各自に記入してもらったコメントを1つにまとめたり、1つのPDF上に同時に記入しているかのように作業できたりするので効率が良い。
こうして確認・修正を行う場合、修正個所が多いと「元データを直接書き換えたい」と言う人が必ず出てくる。
従来、PDFファイルは「修正できないデータ」だった。例えば、WordやPowerPointなどのOfficeソフトから書き出したPDFの場合、修正しようと思ったら、WordやPowerPointなどのファイルを修正し、再度PDFを出力し直す必要があった。
しかし最新版のAcrobat XI Proからは、PDFの直接編集も簡単にできるのである。テキストや画像といったPDF内のデータを自由に編集でき、修正指示のメールや電話をする必要はない。ダイレクトにPDFを編集したら、クラウド上の共有フォルダに置くなり、メールに添付して返すなりすればいい。これでグンと業務の速度がスピードアップするはずだ。
Acrobat XI Proを導入して、「直接PDFを書き換えられる」メリットをもっとも強く感じたのは、企画書やプレゼンデータなどをPDFで持ち歩くときだった。
企画書の日付部分だけを書き換えたいとか、プレゼンテーションの直前に少しだけスライドの内容を書き足したり、ページを入れ替えたりしたい、と思ったことはないだろうか。こういうときAcrobat XI Proなら、WordやPowerPointから再度書き出しを行わなくても、PDFファイルをそのまま修正できてとても便利なのだ。
Webよりも見え方の違いがシビアなのが、書籍やパンフレットなど紙の印刷物を編集する場合だ。筆者、編集者、デザイナーなどさまざまな環境のメンバーが同じファイルを扱う仕事を行っているとき、それぞれの環境でどう見えているかを心配する必要がないのはAcrobatを活用する大きな利点である。
また、1つのPDFを関係者全員に確認してもらい、各自に注釈や校正を入れて戻してもらったり、ダイレクトに元ファイルを編集したりできるので作業が格段に効率アップする。
Acrobat XI Proを導入するにあたり、編集部でもう1つ新しく始めたのが、「紙資料をデータ化して共有する」ことだった。紙で受け取った資料をPDFにしてクラウドサービスの共有フォルダーに置いておく。PDFなら、PCでアクセスできるのはもちろん、外出先でもスマートフォンやタブレットから確認できるので、メンバーからも好評だ。紙資料をPDF化するときのちょっとしたポイントは、ドキュメントスキャナーで読み込むときに、OCRをかけて検索可能なPDFファイルにしておくことだ。紙と違って保管場所も取らず、検索機能で探せるので業務効率がぐっと上がる。
しかしこうした作業を頻繁に行っていると、だんだん面倒になってくるもの。スキャナーにセットしてスキャンを始めたら、あとは放っておいても最適化まで済んでくれればいいのに、と思ったことはないだろうか?
Acrobat XI Proには、ソフトに用意されている全機能を組み合わせて連続した処理を行わせる「アクションウィザード」という機能がある。いわゆるマクロ機能(パッチ処理)だが、アクションウィザードを利用することで定型作業を自動化すれば、作業時間を大幅に短縮することができるだろう。
いくつかの資料を組み合わせて、新たな資料を作る場合にもAcrobatが役立つ。コピーした資料の必要なページだけ組み合わせてホチキスで留めるようなことができるので便利なのだ。
スキャンした資料と、PDFやWord、PowerPointといったデータで持っている資料を一つのファイルにまとめたいときにも、Acrobat XI Proで複数ページのPDFにしておけば、順番を入れ替えるなど自在に加工できる。
社内外でデータを頻繁にやりとりする場合、情報漏えいやセキュリティ対応は必須項目だ。大事なデータであればあるほど、関係ない人に閲覧されてしまうと困る。
もちろんAcrobat XI Proには、PDFファイルのアクセス権限を細かく管理できる機能があるので安心だ。文書を閲覧するのにパスワードを必要にしたり、内容の閲覧はできるが印刷はNG、といったように、アクセスできる範囲を決めて、それ以外は許可しない設定にできる。閲覧にパスワードをかけておくだけで、万が一の情報漏えいを防ぐことができるのだ。チーム作業の場合はこうしたポイントにも気を配りたい。
データ共有に関連する機能としては、日本の企業だけに用意されているような機能として、スタンプ機能がある。「社外秘」といったハンコや、苗字だけの三文判ライクなネームスタンプといったハンコを文書に押すことができるので、PDFでデータを回覧するような場合、必要なスタンプを押して配布したり、読んだら各自が自分のネームスタンプを押すことで既読の確認を取ったりといった使い方ができる。
このようにAcrobat XI Proを導入すると、各機能を使いこなしていくほど業務にかかる処理時間が短縮される。誠 Biz.ID編集部で試してみたところ、予想以上にさまざまなシーンで便利さを実感、効率化できた。
なお、自分でもAcrobat XI Proを導入して業務を改善できるか試してみたいという方向けに、製品のすべての機能が利用できるAcrobat XI Pro体験版が用意されている(参照リンク)。ぜひ導入して、その便利さを体験してもらいたい。
バージョン | 価格(※) | 対応OS |
---|---|---|
Acrobat XI Pro | 5万7540円 | Windows XP/Server 2003 R2/Server 2008/Server 2008 R2/Windows 7/Windows 8 |
Acrobat XI Standard | 3万6540円 | |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:アドビシステムズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:誠 Biz.ID編集部/掲載内容有効期限:2013年3月17日