日産自動車は11月22日、自動車部品子会社・カルソニックカンセイを米投資ファンドKohlberg Kravis Roberts(KKR)に売却すると発表した。
KKRが実施する株式公開付け(TOB)に日産は保有するカルソニックカンセイ株式40.68%分を全て応募する。売却額は約2067億円。KKRはカルソニックカンセイ株の全株式取得を目指す。
カルソニックカンセイの2016年3月期の業績(連結)は売上高が1兆533億円、最終利益が225億円だが、取引の8割を日産に依存している。自動運転や先進安全装備の開発が進む中、自動車部品メーカーは世界的に競争が激化しており、今後はKKR傘下の独立企業として重点分野への機動的な投資が可能になる上、日産以外の自動車メーカーへの拡販も図っていく。
売却は日産が複数企業に打診し、応札したKKRからの提案を評価した。日産は売却で得た資金を自動運転など先進技術の開発に活用していく。
KKRは世界で約1300億ドルの資産を運用するプライベートエクイティファンド。日本ではパイオニアのDJ機器事業を分離した「Pioneer DJ」、パナソニックの健康・医療機器事業だった「パナソニック・ヘルスケア」を取得している。
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